ミマキエンジニアリングは、FFF方式の3Dプリンタ「3DFF-222」を2019年4月末に発売する。同プリンタを使用してプリント治具の作成を内製化できるため、低コストで安定した造形ができる。
ミマキエンジニアリングは2019年3月19日、FFF(熱溶解積層)方式の3Dプリンタ「3DFF-222」(韓国Sindohとの共同ブランド)を発表した。販売予定価格は21万円(税別)で、同年4月末から販売する。
3Dプリントをする際、ワークを固定する一点物のプリント治具の作成を外注するとコストが高くなることから、治具なしの不安定な状態でプリントするケースがある。3DFF-222は、プリント治具を自社で作成できるため、製作コストを抑えられる。また、治具により位置合わせや水平出しがしやすくなり、プリント品質が向上する。
3DFF-222で作成した造形物に同社のUVプリンタでダイレクトプリントすれば、立体的なフルカラーサインが作成できる。高低差(最大4mm)がある造形物へのプリントや、真空成形品の作成に必要となる成形型の作成も可能だ。
造形素材となるフィラメントは、リールフィラメントを専用カートリッジに入れて本体に取り付けるだけで、自動でノズルに供給される。使用後も自動でフィラメントを切断する。
造形物の取り外しは、造形テーブル(ベッド)を少し曲げるだけでよいため、スクレーパーを使用する必要がなく、安全に作業ができる。造形テーブルは、温度調節機能を内蔵し、テーブルの水平誤差を自動で測定するベッドレベリングアシストなど、安定造形を可能にする機能を採用している。
さらに、造形工程を遠隔監視するためのカメラとLED照明を搭載しており、スマートフォンやタブレット端末からWi-Fi経由で造形の進行状況を確認できる。排気や騒音対策にも対応。汚れた空気を排出しないHEPA(High Efficiency ParticulateAir)フィルターや、造形時の騒音レベルを美術館の騒音並みの45dBに抑える高性能モータードライバーが採用されている。
本体サイズは421×433×439mmで、重量は16kg。最大造形サイズは210×200×195mmだ。積層ピッチは0.05〜0.4mm、ノズル径は0.4mm。フィラメント径は1.75mmで、同社純正のPLAフィラメントのみ対応する。
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