パナソニックが車内外のセンシングにTOFカメラを提案、“1台3役”を強みに自動運転技術

パナソニックは、NVIDIAのユーザーイベント「GTC 2019」(2019年3月19〜21日、米国カリフォルニア州サンノゼ)において、車内外のセンシング向けにTOF(Time Of Flight)方式の2種類のカメラを提案した。車内向けではジェスチャーによる操作や乗員の姿勢や行動を認識し、車外向けでは“1台3役”で周辺監視を行う。周辺監視用はハードウェアの工夫で解像度の向上を進め、最短で2024年ごろの製品化を目指す。

» 2019年03月22日 06時30分 公開
[齊藤由希MONOist]
パナソニックが開発中のTOFカメラ。写真左が長距離用、右が近距離用(クリックして拡大)

 パナソニックは、NVIDIAのユーザーイベント「GTC 2019」(2019年3月19〜21日、米国カリフォルニア州サンノゼ)において、車内外のセンシング向けにTOF(Time Of Flight)方式の2種類のカメラを提案した。車内向けではジェスチャーによる操作や乗員の姿勢や行動を認識し、車外向けでは“1台3役”で周辺監視を行う。周辺監視用はハードウェアの工夫で解像度の向上を進め、最短で2024年ごろの製品化を目指す。

 TOFカメラは近距離用と20~30mの長距離用の2種類を展示した。近距離用は、深層学習(ディープラーニング)のアルゴリズムで手のジェスチャーのパターンや、乗員の動作を識別する。乗員の動作は関節の動きから、ステアリングを握る姿勢、携帯電話機を手に持ちながら運転している様子、体調不良でステアリングの上に伏せる様子などを判断できる。

 周辺監視用としては、歩行者までの距離や歩行者が動く方向などを検知する用途を想定している。可視光カメラやLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)といったセンサーと比べた特徴として、センサーフュージョンが不要であることを挙げる。

 異なる種類のセンサーを組み合わせた場合、センサーの搭載位置の違いによる視差も含めて統合処理する必要がある。パナソニックのTOFカメラは物体の形と物体までの距離に加えて可視光カメラとしての画像も同時に得られるため、センサーフュージョンが不要な1台3役のセンサーとして提案する。車載用での製品化に向けた課題は解像度だという。現在の開発品はVGAレベルのため、ハードウェアの工夫で解像度を改善する開発を進めている。

手をかざす直前の様子(左)。深層学習のアルゴリズムにより、手を開いていることを検知した(右)(クリックして拡大)
周辺監視用での検知イメージ(左)。乗員の姿勢の検知にも対応する(右)(クリックして拡大) 出典:パナソニック

(取材協力:NVIDIA)

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