トヨタとパナソニックは、2020年末までに車載用角形電池事業について合弁会社を設立し、共同で技術開発や製造、販売を行うことを発表した。
トヨタ自動車(以下、トヨタ)とパナソニックは2019年1月22日、2020年末までに車載用角形電池事業について合弁会社を設立し、共同で技術開発や製造、販売を行うことを発表した。出資比率はトヨタ51%、パナソニック49%で、それぞれの企業から車載用角形電池についての工場や開発部門、設備、人員などを全て切り出し、一体化を行う計画である。
トヨタとパナソニックは2018年12月13日に「車載用バッテリーについて協業の可能性を検討する」と発表※)。今回の合弁会社設立はこの検討を具体的に進めたものである。
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合弁会社についての合意内容は、以下の6つの点である。
合弁会社に移管される人員については転籍ではなく出向扱いとなる。3500人の内訳はトヨタ側が500人、パナソニック側が3000人となる。パナソニック側の人員は大連工場にかかわる人員が1300人、国内の工場および開発などの人員が1700人だという。移管する資産だけで見れば、パナソニック側の連結子会社としてもおかしくはないように見えるが、トヨタ側が「地球温暖化対策には電池の進化が不可欠であり、トヨタが責任を持って推進する」と決意を示したことで、トヨタ側の出資比率を高めることになったという。
パナソニックの工場については、車載用角形リチウムイオン電池のみを製造している中国の大連工場、国内の兵庫県加西市の加西事業所は、全面的に新会社に移管する。その他、国内の洲本工場、姫路工場の一部生産設備については移管する。技術開発部門については、トヨタからは豊田市、裾野市の拠点から、パナソニックは西神、徳島の事業所から関連の設備や人員を移管するとしている。
新会社には、トヨタおよびパナソニックから全固体電池に関する人員や設備についても全面的に移管する計画である。全固体電池についてはトヨタが2025年までに実用化する考えを示しており、積極的に研究開発を進めている。一方でパナソニックも独自で研究開発を行っており、これらのリソースを一体化することで、実用化を早めたい考えである。
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