日本マイクロソフトは、「リテールテックJAPAN 2019」において、GitHub上で無償公開している流通小売事業者向けの「Smart Store」のリファレンスアーキテクチャと、そのサンプル実装となる「Smart Box」を披露した。
日本マイクロソフトは、「リテールテックJAPAN 2019」(2019年3月5〜8日、東京ビッグサイト)において、GitHub上で無償公開している流通小売事業者向けの「Smart Store」のリファレンスアーキテクチャと、そのサンプル実装となる「Smart Box」を披露した。
Smart Store リファレンスアーキテクチャは、キャッシュレスによるスマートフォン決済や、数百万の商品在庫を数百店舗で一括管理できる商品マスター、商品トランザクション管理など、店舗ビジネスにおける主要な業務シナリオ(ユースケース)やサンプルアプリケーション、サンプルコードを提供している。同社のクラウド「Azure」などを使って運用することになるが、「リファレンスアーキテクチャとは別に、来店客がSmart Storeなどで用いるスマートフォンアプリのサンプルもXamarinベースで開発したものを提供できる」(日本マイクロソフトの説明員)という。
サンプル実装となるSmart Boxは、オフィスなどに設置しておき、店員がいなくても商品を販売できる機器をイメージしたものだ。ユーザーは、Smart Boxに表示されるQRコードをスマートフォンアプリで読み取ることで扉を開けられる。2段に分かれたSmart Box内は、それぞれの段の天井部にカメラが設置されており商品を画像認識している。ユーザーがSmart Boxから商品を取り出すと、それを認識してユーザーのアカウントに購入登録する。ユーザーはアプリ画面で購入内容を確認して、扉を閉めれば決済され、購入完了となる。
同社が流通小売事業者向けとなるこれらのソフトウェアを無償で提供する狙いは、次世代の小売店舗のシステムを導入していく中で、「非差別領域となる業界共通のシステム方式への投資は最小限に抑えながら、事業者間で差別化すべき領域に投資を集中してもらいたいからだ」(同社の説明員)という。流通小売分野では、投資余力の少ない中小事業者が多いことを考えると、こういったオープンソースソフトウェア(OSS)がイノベーションを促進する可能性がある。
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