産業用PCの新製品、ディスプレイ一体型パネルコンピュータ2機種を発売:FAニュース
三菱電機は、産業用PCの新製品を発表した。高解像度液晶とタッチパネルを標準搭載したディスプレイ一体型パネルコンピュータ「MI3000」2機種で、生産現場のデータ収集やエッジコンピューティングシステムの構築が容易にできる。
三菱電機は2019年2月28日、産業用PC「MELIPC」シリーズの新製品を発売した。高解像度の液晶とタッチパネルを標準搭載したディスプレイ一体型パネルコンピュータ「MI3000」2機種(形名:MI3321G-W、MI3315G-W)で、価格はオープン。年間1000台の生産を目指す。
MI3321G-WとMI3315G-Wは、既存の3モデルと同様、Edgecross基本ソフトウェアとSLMP(Seamless Message Protocol)データコレクタをプリインストールしている。これにより、生産現場のデータをリアルタイムに収集し、エッジコンピューティングシステムを容易に構築できる。また、Edgecross対応のソフトウェア「GT SoftGOT2000」もプリインストールしており、収集したデータを容易に表示可能だ。
画面サイズと解像度は、MI3321G-Wが21.5型ワイドで1920×1080。MI3315G-Wは15型で1024×768となる。PCAP(投影型静電容量方式)タッチパネルは、スマートフォンやタブレット端末のように指先で直感的に操作できる。また、液晶バックライトの減衰率を低減し、視認性を高めた。
2機種ともに拡張性が高く、Windowsに対応したバーコードリーダーやOnVIFカメラなどを接続できる。また、音声出力や拡張スロットなどのインタフェースを搭載しており、現場の用途に適したシステム構築に対応する。
MELIPCシリーズ「MI3000」(左:MI3315G-W、右:MI3321G-W)(クリックで拡大) 出典:三菱電機
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