「プリウス」の部品を再利用して低速電動モビリティに、地域でメンテする仕組みも電気自動車

豊田通商は2019年2月27日、EVジャパンやCDS経営戦略研究所、講談社、マピオンと協力し、ハイブリッド車の基幹ユニットを再利用した次世代モビリティを開発すると発表した。第1弾として、低速域で走行する電動の小型車両や軽車両をリリースする。

» 2019年02月28日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 豊田通商は2019年2月27日、EVジャパンやCDS経営戦略研究所、講談社、マピオンと協力し、ハイブリッド車の基幹ユニットを再利用した次世代モビリティを開発すると発表した。第1弾として、低速域で走行する電動の小型車両や軽車両をリリースする。環境問題や地域、観光での移動の課題を解決し、新たな価値やサービスを提供できるモビリティの開発を目指す。プロトタイプは「第2回 地方創生EXPO」(2019年2月27日〜3月1日、幕張メッセ)に出展する。

 豊田通商は、2016年度から環境省の実証事業として、オーナーが手放したトヨタ自動車「プリウス」からモーターやECU、バッテリーなどの基幹ユニットをリユースするシステムを構築した。幅広い用途に展開するためシステムは標準化されており、モビリティなどさまざまな動力システムへの供給が可能だという。

 これを受けて、EVジャパンとCDS経営戦略研究所は、リユース用途に合わせた車両の試作や設計、カスタマイズを実施する。また、遠隔からの監視や制御、自動運転などに対応した車両の開発も行う。車両の組み立てやメンテナンスは、豊田通商の支援の下、EVジャパンが自動車整備事業者で取り組める仕組みを整備する。支援体制やマニュアルも用意し、地域の産業創出と活性化、都市資源が地域循環するシステムの構築を目指す。

 講談社とマピオンは、地域の情報を提供するモビリティ向けのコンテンツを開発する。豊田通商らが開発する試作車両にコミュニケーションロボット「ATOM」を搭載し、ATOMが乗員と対話しながらコンテンツを提供する計画だ。将来的には、地域ごとにローカライズされた“ご当地ATOM”を提供する。

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