フォントワークスが開発した「Type-D UD角ゴ_スモール-M」は、スマートウォッチなどのウェアラブル端末やIoT機器など極小画面デバイス向けに可読性を高めたフォントだ。
スマートウォッチなどのウェアラブル端末は、携帯性や装着性を向上するために表示画面を大きくすることは難しい。また、さまざまな機器がIoT(モノのインターネット)化していく中で表示画面を用いる場合、小さな画面サイズを求められる可能性が高い。
大型化していったスマートフォンと異なり、小さな画面でどのような表示を行うかで、ユーザー体験(UX)が大きく変わる可能性がある。また、画面を使うということは、文字表示を行う可能性も高い。その場合、小さな画面に最適なフォントも求められるかもしれない。
そういったニーズに対応し、極小画面デバイス向けフォント「Type-D UD角ゴ_スモール-M」を開発したのがフォントワークスだ。同社は、“美しく読みやすいフォント”として、ユニバーサルデザインに基づく「UDフォント」を開発しており、九州大学 芸術工学研究院との共同研究も行っている。
2019年2月15日に発表したType-D UD角ゴ_スモール-Mは、九州大学 芸術工学研究院との共同研究の第2弾「デバイス表示の特性に基づいたUDフォントのデザイン性に関する研究」に基づき、UDフォントの角ゴシック体をベースに開発された。
同研究においてType-D UD角ゴ_スモール-Mは、極小画面における文字表現で最も重要な「可読性の高さ」について、比較フォント内で最も見やすいフォントとして高評価を得た。さらに、読みやすさを追求していく中で、他に実験内で高順位を獲得したフォントと比較し判明した、英数字の文字幅の詰まり具合を拡張する調整も行ったという。
フォントワークスは「第5回ウェアラブルEXPO」(2019年1月16〜18日、東京ビッグサイト)に出展し、スマートウォッチを模した試作デバイスを展示し、その可読性の高さをアピールした。スマートウォッチの場合、表示画面が黒バックの場合もあれば白バックの場合もあるが、Type-D UD角ゴ_スモール-Mはその両方で高い可読性が得られている。また、組み込み機器向けフォントでもあるので、実装容量は2.3MBと小さい。

スマートウォッチを模した試作デバイスによる比較。左側のディスプレイが「Type-D UD角ゴ_スモール-M」で、右側のディスプレイが従来のフォント。白バック(左)、黒バック(右)とも可読性が高い(クリックで拡大)「ベースになるUDフォントは、既に日本語や英語以外の多言語展開をしているので、極小画面デバイス向けフォントも同様に展開を広げられるだろう」(フォントワークスの説明員)。
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