マイコンへのAI実装と開発をサポートするツールセットを発表 : 人工知能ニュース
STMicroelectronicsは、32ビットマイコン「STM32」向けのコード生成ツール「STM32CubeMX」の追加機能として、AIの実装と開発をサポートする「STM32Cube.AI」をはじめとするツールセットを発表した。
STMicroelectronicsは2019年1月3日、32ビットマイクロコントローラ(マイコン)「STM32」向けのコード生成ツール「STM32CubeMX」の追加機能として、AI(人工知能)の実装と開発をサポートする「STM32Cube.AI」をはじめとするツールセットを発表した。
「STM32」マイコンへのAI実装のイメージ(クリックで拡大) 出典:STMicroelectronics
STM32Cube.AIは、Caffe、Keras(バックエンドにはTensorFlowを使用)、Lasagne、ConvnetJSの各フレームワークと、Keil、IAR、System Workbenchなどの統合開発環境(IDE)に対応。学習済みニューラルネットワークを、STM32マイコン上で実行可能なC言語コードに変換し、最適なライブラリ関数を呼び出せる。
付属のソフトウェアファンクションパック「FP-AI-SENSING1」は、ニューラルネットワークに基づいた、モーションセンサーと音による周囲環境認識向けのサンプルコードを含む。小型センサーボード「ST SensorTile」を使用して、学習プロセスに入る前のデータ取り込みとラベリング、さらに推論を実行できる。スマートフォン向けアプリ「ST BLE Sensor」を使えば、SensorTileのリモート制御や表示ができる。
STM32マイコンへのニューラルネットワークの実装期間の短縮を支援するとともに、IoT(モノのインターネット)、スマートビルディング、産業機器、医療機器といった組み込みシステムの利用を想定している。
組み込みAIは必要不可欠な技術へ、推論に加えて学習も視野に
2017年初時点では芽吹きつつあった程度の組み込みAI。今や大きな幹にまで成長しつつあり、2019年からは、組み込み機器を開発する上で組み込みAIは当たり前の存在になっていきそうだ。
芽吹くか「組み込みAI」
第3次ブームを迎えたAI(人工知能)。製造業にとっても重要な要素技術になっていくことは確実だ。2017年からは、このAIを製品にいかにして組み込むかが大きな課題になりそうだ。
AIと機械学習とディープラーニングは何が違うのか
技術開発の進展により加速度的に進化しているAI(人工知能)。このAIという言葉とともに語られているのが、機械学習やディープラーニングだ。AIと機械学習、そしてディープラーニングの違いとは何なのか。
機械学習はどうやって使うのか――意外と地道な積み重ね
前編では、AI(人工知能)と機械学習、ディープラーニングといった用語の説明から、AIを実現する技術の1つである機械学習が製造業を中心とした産業界にも徐々に使われ始めている話をした。後編では、機械学習を使ったデータ分析と予測モデル作成について説明する。
世界を変えるAI技術「ディープラーニング」が製造業にもたらすインパクト
人工知能やディープラーニングといった言葉が注目を集めていますが、それはITの世界だけにとどまるものではなく、製造業においても導入・検討されています。製造業にとって人工知能やディープラーニングがどのようなインパクトをもたらすか、解説します。
ET展で組み込みAIはなぜ盛り上がらないのか
2016年、2017年に引き続き、エレクトロニクス/組み込み分野に詳しい大原雄介氏による「ET2018/IoT Technology 2018」の“獣道”レポートをお送りする。中国発の注目のArmチップや新たなLPWA規格などの展示があったものの、組み込みAI関連の展示は盛り上がらなかったようで……。
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