金型加工の「匠の技」を自動化、オムロンがサービスとして提供FAニュース

オムロンは、モノづくりの生産性や品質を向上させるIoTサービス「i-BELT」の第3弾として「金型加工の切削最適制御サービス」の提供を2019年2月に開始すると発表した。

» 2019年01月23日 09時00分 公開
[MONOist]

 オムロンは2019年1月21日、モノづくりの生産性や品質を向上させるIoTサービス「i-BELT」の第3弾として「金型加工の切削最適制御サービス」の提供を2019年2月に開始すると発表した。

 「i-BELT」は2017年7月に発表したオムロンのIoTサービス基盤である。オムロンが保有する幅広い制御機器などからのデータを製造現場レベルで収集、分析し、さらにオムロン自身の生産革新などのノウハウを組み合わせて、簡単にサービスとして活用できるようにしたものだ。第1弾サービスは「異常予兆監視」、第2弾サービスは「現場課題の見える化・分析サービス」が提供されている※)

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「匠の技」を自動化

 熟練工不足が進む中、オムロンでは2016年から2年をかけて社内で金型加工の切削最適化を自動制御するために実証実験を進めてきた。その中で、熟練技能者が工作機で金属を切削する際、設備の“音”を切削速度の判断材料にしていることに着目。工作機に設置した振動センサーで、切削時の振動を計測し切削抵抗を算出し、その大きさにより工具の送り速度を補正するアルゴリズムを開発した。その結果、既存の工作機での加工時間を40%削減し、工具摩耗量も20%削減を実現したという※)

※)関連記事:AIで金型加工を自動制御、熟練工のノウハウを注入し加工時間を40%削減

 今回提供するサービス「金型加工の切削最適制御サービス」はこの実証を基にしたものである。顧客と共にオムロンのエンジニアが製造現場のデータを見える化、分析し、制御にフィードバックする仕組みを構築する。顧客の既存の工作機が自律的に動くことで、設備効率の最大化や生産性向上を目指す。

photo 「金型加工の切削最適制御サービス」の概要

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