一方、日本マイクロソフトの平野氏は、2020年に向け日本国内で「インダストリーイノベーション」「ワークスタイルイノベーション」「ライフスタイルイノベーション」という3つのイノベーションを推進する方針を示し、そのために重要になるキーワードとして「Tech Intensity(テクノロジー活用の強さ)」を挙げた※)。
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マイクロソフト CEOのサティア・ナデラ(Satya Nadella)氏も言及するTech Intensityは、「新たなテクノロジーを取り込みどのように自社のビジネスに活用していくか」ということの指標になる考え方で、「どのくらいのスピードでテクノロジーの採用を進めているのか」という観点と、「採用するテクノロジーはどのくらい差別化ができるものなのか」という観点の2つの掛け算で導き出される。
平野氏は「DMG森精機は、まさにTech Intensityの象徴的企業だ」と強調。今後も、同社の取り組みに積極的に協力していく姿勢を見せた。
基調講演終了後には、記者向けに質疑応答も行われた。今回の発表はCELOS Clubについてだったが、DMG森精機は工場間をつなぐIoTプラットフォーム「ADAMOS」なども展開している。川島氏は「ADAMOSのようなIoTプラットフォームをファナックやシーメンスなどが展開していることを考えると、そのクラウドについてはベンダーニュートラルであるべきだろう」と説明する。
また、CELOS Clubについても「今回の取り組みは、これまでの関係性もあってまずはAzureからということになった。しかし、例えばセンサーデータを分析するAIは、Azureだけに限っているわけではない」(川島氏)という。同氏は「今後、他のベンダーと協業する可能性はある。ただし、マイクロソフトが持つ他業界を含めた豊富なIoT関連の知見は、当社にとって有用だ。IoT関連の取り組みについては、マラソンで言えばまだ200〜300m走った程度でありやるべきことは多い。そのためにもマイクロソフトとの協業は大きな意味がある」と述べている。
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