これまでSOLIDWORKS製品としては、3Dビュワーの「eDrawings」のデータとAR(VRではなく)の連携機能が提供されていましたが、単に3D CADのデータをeDrawingsデータ(拡張子.EASM)に変換するだけのものでした。
といったところで、機能としては不十分に感じていました。
そして2016年のVR元年から約2年後、SOLIDWORKS XRの発表となったわけです。
VRを使用することにより、
「複数人の人がさまざまな角度から実物大のモデルを見る」
「VR上で工具を挿入し、組立性能を検証する」
といったことができます。
VRはデザインレビューでの用途以外にも、技術者のトレーニングにも有効でしょう。改造設計を行うような場合には、ARを用いて、実機と改造部を融合させれば、3D CAD上だけでは難しい、例えば3D CAD上には存在しない副資材品や配管、ケーブルなどとの干渉問題などを発見しやすそうです。その他では、バーチャル展示ルームとして、社内外で利用することが可能になるでしょう。
これまでの実機を展示する場合、展示物の数やその大きさなど展示スペースに対しての制約がありましたが、3D CADの設計データをリソースとしてVR/ARを使用して展示するといった活用法も有効でしょう。
解析の世界も、VR/ARとの連携をすることになるようです。私も約5年前、流体解析の結果による流れをAR空間で見たことがありますが、とても印象に残る体験となりました。
解析でもこのように、「より可視化ができる」ということは望ましいことです。「ただ見えればいい」というわけではないのですが、「まずは利用してみる」というところから、その活用性が広がるような気がします。
SWWJ2018会場でよく聞こえてきた、「リアル・速い(高速表示)・魅せる」という技術は、今さらながらも、製造業への大きな変化を与えるものであり、「ただ見えればいいという他にも、何かありそうだ」と感じました。
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