富士通アドバンストテクノロジは、物理シミュレータを高速・高精度なAIシミュレータに変換するAI技術、基盤を発表した。広範な物理特性を扱えて汎用性があり、かつ既存手法と比較して計算時間を大幅に短縮できる。
富士通アドバンストテクノロジは2018年11月7日、欧州富士通研究所、富士通研究所と共同で開発した、物理シミュレータを高速・高精度なAI(人工知能)シミュレータに変換するAI技術、基盤を発表した。
新たに開発したのは、物性値や輻射、外部磁場など広範な物理特性を扱えるAIシミュレータ基盤だ。同基盤により、多様なAIシミュレータに同じディープニューラルネットワークを用いて、入出力操作を標準化した汎用の手順を適用できるようになる。
このAIシミュレータは、複雑な事象に対して非常に良い近似計算を実行することにより、シミュレーション時間を既存手法と比較して大幅に短縮できる。また、汎用的に適用できるため、従来のAIシミュレータのように、多くの時間をかけて用途ごとに毎回作成する必要がない。
同シミュレータを、電子機器の冷却設計と検証に用いられる熱流体シミュレーションに適用したところ、誤差を2%以内に抑えつつ、数千倍高速なAIシミュレータを生成することに成功した。CAEや製品設計などに応用することで、製品開発における開発期間の短縮や試作費用の削減に貢献することが期待される。
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