2018年11月1〜6日に開催される「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」だが、前回の2016年開催に引き続き、「IoT活用によるつながる化」と「金属積層造形」が大きなテーマとなりそうだ。注目の展示テーマをプレビューする。
2018年11月1〜6日に開催される「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」だが、前回の2016年開催に引き続き、「IoT活用によるつながる化」と「金属積層造形」が大きなテーマとなりそうだ。注目の展示テーマをプレビューする。
JIMTOFは工作機械と関連製品や技術の展示会で2年に1回のペースで開催されている。JIMTOF2018は出展社数が1085社となり過去最多となる。来場者目標は15万人としており、前回以上の盛り上がりを見せると予測されている。
JIMTOF2018のキーワードの1つとして位置付けられているのが「つなぐ」という点である。工作機械では以前から、3G回線などを使った稼働状態の見える化などの取り組みは進んでいたが、JIMTOF2016からはIoT(モノのインターネット)を活用した新たな「つながる世界」の実現に取り組む姿が大きな注目を集めた。JIMTOF2016では、ファナックが、同社の展開する工場用IoT基盤「FIELD system」を使い、JIMTOFに出展した機械メーカー80社、250台の工作機械をつなぎ、稼働状況の見える化を実現したことで大きな注目を集めた。
そこから2年が経過し、既にこれらを実現するIoTプラットフォームや関連機器などが市場投入されるようになっている。「FIELD system」は2017年10月に運用開始が発表され、アプリケーションとして、製造機器データの統合的な見える化や分析ができる「iPMA」、製造機器の予防保全を実現する「iZDT」、工作機械の加工時間を高精度に予測する「加工時間予測」、製造現場の利用者の操作権限や操作履歴を管理する「個人認証・履歴管理」の4つがリリースされている※)。
※)関連記事:ファナックの「FIELD system」は“分かる化”へ、AIによるロボットの軌跡制御も
工場内の現場情報を上位の情報システムと簡単に連携できるようにするエッジコンピューティングのための基本ソフトウェア「Edgecross(エッジクロス)」も2018年5月から販売が開始されている。2018年10月には普及を推進するEdgecrossコンソーシアムへの参加企業は200社を突破したとし、ライセンス販売も900以上の販売になっているという※)。
※)関連記事:エッジクロスは設立1年を待たずに200社加盟を突破、900ライセンスを販売
その他、機器メーカー各社が展開する稼働監視などIoTサービスなども2017〜2018年にかけて次々に商用サービスが開始されており、JIMTOF2018ではこれらの市場導入の成果などを含めて各社が紹介する。
JIMTOF2018では、主催者企画展示「Connected Industries SHOWCASE @JIMTOF2018 〜 ものづくり新時代IoT + 生産現場=“つながる”への挑戦!〜」を用意する。IoTプラットフォームを活用しながら、データ連携を実現する。展示会場を1つの大きな工場「Connected Industries Factory」に見立て、「見える化」の価値を訴求する。具体的には、プラットフォームで接続した各展示機器の状態を大型ディスプレイで表示した一括稼働モニターでリアルタイム表示する。
この取り組みには日本工作機械工業会の会員企業72社が参加し、300台程度の接続を実現するという。DMG森精機やファナック、Edgecrossコンソーシアムなども参加している。
さらにIoT導入事例紹介として「ニッポン転換のとき、モノづくり現場を変える先端的IoTへの取り組み」として、新規設備投資や高価な監視システムを導入することなくIoT化を実現した旭鉄工のIoT活用事例などを紹介するとしている※)。
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