エッジコンピューティングにおける共通基盤の構築を目指す「Edgecrossコンソーシアム(エッジクロスコンソーシアム)」は2018年10月10日、取り組み経過の発表を行うとともに、エッジクロス基本ソフトウェアのバージョンアップについて紹介した。
エッジコンピューティングにおける共通基盤の構築を目指す「Edgecrossコンソーシアム(エッジクロスコンソーシアム)」は2018年10月10日、取り組み経過の発表を行うとともに、エッジクロス基本ソフトウェアのバージョンアップについて紹介した。
「エッジクロスコンソーシアム」は2017年11月にアドバンテック、オムロン、NEC、日本IBM、日本オラクル、三菱電機の6社が幹事会社となって設立。その後日立製作所も幹事会社として加わり、この7社を中心に運営を進めている。2018年5月にはこのエッジコンピューティングの共通基盤となる「エッジクロス」基本ソフトウェアとデータ連携を実現するデータコレクター、アプリの販売を開始した※)。
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活動開始から1年未満である状況だがエッジクロスコンソーシアムへの参加企業は2018年10月9日時点で208社となり、2018年度の目標としていた参加数を突破した。参加企業は工作機械メーカー、産業用PCメーカー、ソフトウェアメーカー、システムインテグレーター、エンドユーザー、商社など。エッジクロスコンソーシアム事務局長の徳永雅樹氏は「予想以上に多くの企業に参加してもらえており、関心は非常に高いという手応えを感じている。当初目標を引き上げ、2018年度末には300社の参加となるようにプロモーションなどを進めていく」と述べている。
さらに同年5月に発売した基本ソフトウェアの販売も900ライセンスを突破しており、普及は順調だといえる。対応製品は13製品となり、エッジアプリケーションとしては伊藤忠テクノソリューションズ、ウイングアーク1st、KSKアナリティクス、三菱電機、三菱システムサービスが対応。データコレクターは、NSD、デンソーウェーブ、三菱電機からリリースされている。
徳永氏は「現状ではまだトライアルで使用しているところが多いのは事実だが、順次適用も進んでいる。年度末までにユースケース10件の公開を目標としており、これが実現できればさらに本格活用に拍車が掛かると考えている」と徳永氏は語る。
ユースケースの構築に向けては、2018年9月に新たにロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)にエッジクロスの実証を行うサブワーキンググループ(SWG)の設立提案を行い承認。2019年2〜3月には、実証実験を行う計画を示している。
2018年度下期の取り組みとしては、ユースケースを10件以上、参加企業数を300以上にすることを目指す。さらに海外展開の検討を進める。まずは中国と台湾を対象とし、実現の可能性を探っていくとしている。
また、2018年10月26日には新たにエッジクロス基本ソフトウェアのバージョンアップを行い、データモデル管理機能を追加する。データモデル管理機能により生産現場データをEdgecross仕様に沿って生産設備モデルとして簡単に、階層的に定義可能となる。また、関連資料も一元管理することが可能となる。データモデル管理機能はインダストリー4.0などで検討されている「管理シェル」と方向性を同じくするものだとしている※)。
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