サンダーソフトジャパンは2018年10月26日、東京都内で記者会見を開催し、AI(人工知能)機能を提供するIoT(モノのインターネット)製品の開発支援プラットフォームとして、「Thundercomm TurboX」(以下、TurboX)を日本市場向けに提供開始すると発表した。
サンダーソフトジャパンは2018年10月26日、東京都内で記者会見を開催し、AI(人工知能)機能を提供するIoT(モノのインターネット)製品の開発支援プラットフォームとして、「Thundercomm TurboX」(以下、TurboX)を日本市場向けに提供開始すると発表した。
サンダーソフトジャパン 社長兼サンダーソフト バイスプレジデントの今井正徳氏は、エッジデバイスにおけるAI開発の課題として「アプリケーションによってハードウェア開発の複雑さが異なる。ソフトウェア面でもOSやアルゴリズムの開発は煩雑で、そしてアプリケーションの作りこみには長期間を要する」ことを挙げる。TurboXは、ハードウェアとソフトウェアの開発を垂直統合し、この課題の解決を手助けするものだ。
同プラットフォームは、IoT機器の開発者向け組み込みAI開発キット「TurboX AI Kit」と、量産に対応する組み込みモジュール「TurboX SoM(System on Module)」で構成される。全ての製品でQualcomm(クアルコム)製のモデムやSoC(System on Chip)を搭載しているが、これは同プラットフォームの開発を中国のサンダーソフト本社(Thundersoft)とQualcommの合弁会社である「Thundercomm」が担うためだ。今井氏は、このThundercommについて「QualcommのIoT戦略で中核を担う存在」と表現している。
AI Kitは、Snapdragon 845(SDA845)搭載ボックス型コンピュータをベースに、GPUやDSP、BluetoothやWi-Fi、カメラやマイクなどAIを利用したアプリケーション開発に必要なハードウェアをそろえた。動作OSはLinux、Androidに対応し、組み込みAIエンジンやサンダーソフト独自のコンピュータビジョンソフトウェア開発キット(SDK)が実装される。
また、顔認識や物体検出、画像処理といったディープラーニングを活用する機能についてもSDKが提供され、ユーザーはJavaもしくはC++でアプリケーションの開発に集中することが可能だ。ユーザーのコーディング負担を軽減するため、ビジュアル的にプログラミングできるフロー型開発環境「AI Studio」もバンドルするという。
TurboX SoMは、搭載するSoCの性能に応じて4製品をラインアップし、SoCとともにWi-FiやUSB、カメラI/Oなどエッジデバイスに必要なインタフェースを1モジュールに収めた。最上位モデルである「D845」はAI Kitと同じSoCを搭載するため、「AI Kitで開発したソフトウェアをそのまま移行できる」(今井氏)ことがメリットだ。
その他、Snapdragon 820(APQ8096)を搭載する「D820」、Snapdragon 626(APQ8053Pro)を搭載する「D820」、デバイスセンサーネットワーク用途に向く「S9206」をそろえ、量産設計を行うユーザーのニーズに応えられるスケーラブルな製品群とした。
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