デンソーは2018年10月12日、車載用電子プラットフォームの開発を加速するため国内組み込みソフトウェアベンダーのイーソルに出資したと発表した。出資額は約1億7000万円で、イーソルへの出資比率は約2%となる。
デンソーは2018年10月12日、車載用電子プラットフォームの開発を加速するため国内組み込みソフトウェアベンダーのイーソルに出資したと発表した。出資額は約1億7000万円で、イーソルへの出資比率は約2%となる。なお、イーソルは同日、東京証券取引所マザース市場に上場している。
両社は、2016年5月に車載ソフトウェアの標準規格であるAUTOSARの基盤ソフトウェア(BSW)とその関連ツールの開発を行うオーバスをNEC通信システムとともに共同で設立※)。車載ソフトウェア開発で協力関係にあったものの資本関係はなかった。
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オーバスは2018年1月、次世代AUTOSARであるAUTOSAR Adaptive Platformに対応するOS「AUBIST Adaptive OS POSIX」を発表した。また同OSが、イーソルのメニーコア対応リアルタイムOS「eMCOS」をベースに開発していることも明らかにしている※)。なおた、イーソルはAUTOSARのプレミアムパートナーでもあり、AUTOSAR Adaptive Platformなどの仕様策定にも貢献している。
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今回デンソーは、イーソルを車載用電子プラットフォーム開発の重要パートナーとして出資することを決めた。今後は、技術顧問契約の締結や相互の人材交流など、連携をより強化し、次世代の車載用電子プラットフォームの開発を加速させる。
デンソーは近年ソフトウェア関連会社への出資を強化している。2018年だけでも、1月に東芝グループの東芝情報システム、2月にクラウド技術やオープンソースソフトウェアの開発に強みを持つクリエーションライン、4月に次世代のモビリティサービスに必要な基幹技術の開発力を持つオンザロードに出資している。また、2016年7月には、車両のメーターやディスプレイを制御するソフトウェアの開発を強化するためNTTデータMSEに出資している。
AUTOSARの最新動向:2018年3月版
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