「年収が高そう」「安定してそう」――そんなイメージがある自動車業界。各社が公表している最新の有価証券報告書のデータをもとに、自動車メーカーと部品メーカーを合わせた自動車業界40社の平均年収をまとめました。
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「オートモーティブ・ジョブズ」からの転載です。
「年収が高そう」「安定してそう」――そんなイメージがある自動車業界。各社が公表している最新の有価証券報告書のデータをもとに、自動車メーカーと部品メーカーを合わせた自動車業界40社の平均年収をまとめました。
まずは、自動車メーカー9社の平均年収からみていきましょう。
平均年収が最も高かったのは、国内売上高トップのトヨタ。平均年収は831.9万円(平均年齢39.2歳)でした。2位は日産の818.4万円(42.5歳)で、3位はホンダの808.6万円(44.9歳)。売上高の上位3社が、平均年収でもトップ3にランクインしています。
トヨタは17年度の純利益が前年度比36.2%増の2兆4939億円で、米国の法人減税も追い風に2年ぶりに過去最高を更新。お家芸ともいえる「カイゼン」も貢献し、設計面の見直しなどで1650億円の営業費用を削減しました。平均年収は前年から20万円以上減少したものの、トップの座を保っています。
続いて、自動車メーカー大手3社の平均年収が10年間でどのように推移しているかをみていきます。
リーマンショック後は3社ともに落ち込みましたが、その後は徐々に回復。ホンダの平均年収は09年度に600万円台まで減少したものの、17年度は前年から32.5万円増加して9年ぶりに800万円を上回りました。
10年間で最も平均年収がアップしたのは日産です。額にすると100万円以上増えており、トップのトヨタに迫る勢い。日産は仏ルノーと提携を結んだ99年から、カルロス・ゴーン氏のもとで系列解体や事業の再編に取り組んできました。大手3社の中で唯一従業員数が減っており、この10年で単体では9000人近く、連結では2万人減少。同社は22年度の営業利益率8%(17年度は4.8%)を目指し、さらなる収益力の向上を図っています。
最後に、部品メーカーも含めた自動車業界40社の総合ランキングを一挙にご紹介します。
自動車業界全体で見ても、トップはトヨタで831.9万円(平均年齢39.2歳)。自動車業界は日本の経済を支える基幹産業ではあるものの、平均年収が「大台」の1000万円を超える企業はありません。
部品メーカーの中では、トヨタ系のデンソーが812.3万円(43.4歳)でトップ。デンソーは売上高が国内首位の部品メーカーで、エンジンの動力を車輪に伝える駆動装置やエアコンなどの熱機器が主力です。16年度の平均年収はトヨタに次ぐ2位でしたが、17年度は前年から15.3万円減少して日産(818.4万円)を下回りました。
トヨタ・ホンダ系列に属する部品メーカーの平均年収は、トヨタ系列が725.4万円(39.9歳)で、ホンダ系列が639.5万円(41.1歳)。トヨタ系列とホンダ系列には80万円以上の差があり、ホンダ系列の平均年収はトヨタ系列のなかで最も低い豊田合成(661.3万円、42.1歳)を下回っています。いずれの部品メーカーも、系列の中心となる自動車メーカーより平均年収が低いという結果になりました。
自動車業界の平均年収のボリュームゾーンは650〜700万円台で、自動車業界のなかでも、自動車メーカーと部品メーカーの間には差があるという結果になりました。
自動運転や電気自動車など新技術の発展が著しい自動車業界。今後は自動車メーカー、部品メーカーを問わず「どれだけ変化に対応していけるか」が平均年収を左右していく可能性も高いでしょう。
(オートモーティブ・ジョブズ編集部 山岡結央)
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