故障予知サービスにモーターモデルを追加、μ秒未満の変化に対応:製造ITニュース
安川情報システムは2018年8月8日、故障予知サービス「MMPredict」のモーターモデルを開発し、8月20日から提供開始することを発表した。
安川情報システムは2018年8月8日、故障予知サービス「MMPredict」のモーターモデルを開発し、8月20日から提供開始することを発表した。
故障予知サービス「MMPredict」では従来、装置単体の故障予知を行う「プロダクトモデル」、さまざまな装置などを組み合わせたユニットやプラントを統合的に監視し故障を予知する「プラントモデル」の2種類のサービスを展開してきた。
「プロダクトモデル」のイメージ(クリックで拡大)出典:安川情報システム
しかし、既存モデルはデータが秒単位以上で変動するものを対象としており、適用できない領域があった。その1つが、データがμ秒(100万分の1秒)単位で激しく変動するモーターである。そこで、短い周期で収集したデータを現場に設置するエッジPCで加工した後、1日に数回、クラウド上で独自のアルゴリズムを用いて故障予知する「モーターモデル」を開発。このアルゴリズムを標準搭載することで、顧客企業専用のアルゴリズムの初期開発が不要となり、短期間で故障予知サービスを導入できるようになる。
故障予知サービス「MMPredict」シリーズの最大の特長は「使いながら育てる」ことができるという点だ。特許出願中の「知見追加学習機能」を用い、AI分析結果に人の知見を追加して学習させることで、分析に用いる正常モデルを強化し、予知の精度を向上させられる。さらに長く使うほど、顧客向けに最適化されたモデルへと成長させられる。
故障予知やAI活用などでは学習データが重要になるが、異常ではなく正常状態をモデル化して故障予知を行うこのサービスを使えば、リードタイムを短くすることが可能で、初期投資を低く抑えることができる。
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