ホートンワークスジャパンはが製造業向けの事業展開について説明。従来のITシステムで扱ってきた構造化データに加えて、非構造化データや半構造化データもまとめて集積できる同社のデータプラットフォームを製造業のIoT活用に役立てられると提案した。
ホートンワークスジャパンは2018年7月19日、東京都内で会見を開き、製造業向けの事業展開について説明した。
ホートンワークス(Hortonworks)は、HadoopやNiFi、Sparkといったオープンソースソフトウェアを基にデータプラットフォームを展開する企業だ。従来のデータベースやデータウェアハウスから、非構造化データや半構造化データを集積できる「データレイク」への移行トレンドを捉え2011年の設立から成長を続けている。2017年の売上高は2億6180万米ドル(約291億円)で、この成長スピードはセールスフォース(Salesforce.com)を超えるという。日本市場でも2017年が前年比2倍、2018年は2倍以上になる見込み。ソフトバンクやリクルート、LIXIL、日産自動車、三菱ふそうトラック・バスなどが顧客となっている。
ホートンワークスジャパン 執行役員社長の廣川裕司氏は「2018年4〜6月期は、国内で7社と契約したが、そのうち5社が製造業だった」と語り、製造業向けの提案活動が好調に推移していることを示唆した。
会見には、米国本社で製造&自動車担当のゼネラルマネジャーを務めるマイケル・ガー(Michael Ger)氏が登壇した。ガー氏は「ホートンワークスのデータプラットフォームは、世界トップ10社の自動車メーカーのうち9社、世界トップ100社の製造業のうち37社に採用されている」と語る。
特に、製造業が注目するIoT(モノのインターネット)からのデータを効率よく集積する上で、従来のITシステムで扱ってきた構造化データに加えて、非構造化データや半構造化データもまとめて集積できる同社のデータプラットフォームが役立つと強調した。「製品の設計開発から製造、流通、販売、サービスに至るまでバリューチェーンの全てがデジタル化することで、扱うデータの量は膨大になっている。特に、IoTとの関わりが深い、時系列データをリアルタイムデータとして扱う需要は加速度的に高まっている」(ガー氏)。
ホートンワークスの「HDP(Hortonworks Data Platform)」や「HDF(Horton Data Flow)」は、Hadoopなどのオープンソースソフトウェアを基に「従来のエンタープライズITシステムのデータとリアルタイムのIoTデータを含めて、あらゆるデータを“データレイク”でまとめて管理できる」(ガー氏)という。
ガー氏は、ホートンワークスの製造業の採用事例としてフォード(Ford Motor)と大手製薬企業の事例を紹介した。フォードは2016年から、ホートンワークスのデータプラットフォームを用いたモビリティサービスの開発に取り組んでおり、2017年にはRTSA(Real-Time Streaming Analytics)を車両の予知保全などに活用できることを報告している。
ある大手製薬企業では、歩留まりに関わる何千ものパラメータの最適化に採用した。これまで1〜2のパラメータについてExcelベースで分析を行っていたところを、3カ月間でセンサーデータやヒストリアン(履歴)データ、ERPデータなどを対象に全ての製造バッチ(1200バッチ)で分析を実施したという。その結果、数百万米ドルものコスト削減につながったという。
これらの他、米国ラスベガスにおけるコネクテッドカーの実証試験でもホートンワークスのソリューションが採用されている。
なお、製造業のIoT活用で注目されているエッジコンピューティングについては「IoT活用に向けた取り組みの初期段階では、最適にエッジを活用することは難しい。そこで、当初はNiFiを用いたストリーミングアナリティクスを適用しつつ、徐々にエッジとクラウドの分担を決めていくことになるだろう」(ガー氏)としている。
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