シーメンスPLMソフトウェアは2018年7月12日、2017年10月にリリースした3D設計システム(CAD/CAM/CAE)「NX12」に関する記者説明会を開催した。
シーメンスPLMソフトウェアは2018年7月12日、2017年10月にリリースした3D設計システム(CAD/CAM/CAE)「NX12」に関する記者説明会を開催した。同説明会にはシーメンスPLMソフトウェア NX製品管理・マーケティング・製品定義・ビジネス開発担当バイスプレジデントのボブ・ハブロック氏が登壇した。
NXはCADからCAM、CAEまでを包括する3D設計・製造ソリューションで、日本国内ではスズキや三菱自動車工業、ヤマハ発動機といったユーザーがいる(関連記事:MOTOROiDにおける3D設計の取り組み、ルール作りやプロセスの構築が肝か)。新製品のNX12は2019年1月から「コンティニュアス・リリース」(継続的リリース)という新しい機能更新形態に対応する。これまでのような年間の定期更新ではなくなり、今後は新機能が準備でき次第で実装されていくという。今後は素早く新機能が利用できるようになると共に、「ユーザーのアップグレードコストの大幅な削減につながる。特に多数のライセンスを導入する大きな組織ではその効果が大きいはず」とハブロック氏は説明。同種のソフトウェアでは初めての取り組みになるという。
NX12ではアセンブリーのパフォーマンスが大幅向上したという。従来バージョンと比較して「2万部品ほどの大型のアセンブリーであれば20倍、1万部品の製品なら10倍」とハブロック氏は説明する。
新機能の「アニメーションデザイナー」では、設計した機構を動作させる動画を簡単に制作できる。タイムライン設定などが動画制作初心者向けに分かりやすくなっている。
NX12において、設計データを利用したVRコンテンツの出力についてはデータ変換なしで対応する。同社のミッドレンジ3D CAD「Solid Edge」でも2018年夏に同様な機能に対応する予定ということだ。
NX12では、メンター・グラフィックスの技術を利用したエレメカ連携機能やCFD(数値流体解析)連携機能、積層造形と連携可能なジェネレーティブデザイン関連の機能も強みとする。
積層造形については「単なる試作手段ではなく、新しいデザインを作る手段として考えたい」とハブロック氏は提言した。
「自動車や家電などでは電装化が進んで設計が複雑化し、かつ小型化されたスペースにそれを納めなければならない。設計現場では、柔軟性や3D化への対応が求められている。また放熱の問題についても、CFDを用いた開発早期での解消が必要である」(ハブロック氏)
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