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» 2018年07月20日 09時00分 公開

働き方改革よりも少数精鋭化? 製造業における働き方の変化ママさん設計者と考える「モノづくりキャリア」(後編)(2/2 ページ)

[藤崎 淳子/Material工房・テクノフレキス,MONOist]
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もしもサラリーマンを辞める日がきたら

 それでは、この労働力流動化社会に対応するために、一人ひとりが今何をすればよいのかを考えてみましょう。

 サラリーマンの方は、特に思考せずとも毎日定時に出勤して定時に退勤という「日課」を、休まず続ければ「満額のお給料」が保証されますよね。上場企業に勤めていれば「○○○○の従業員です」と名乗れば、それなりのステータスを感じたりもするでしょう。でも、ある日を境にその肩書を失ったらどうしますか?

 自分がクビにならなくても、会社がなくなることも考えなくてはいけません。その会社に何十年勤めていようが、「自発・自律」がなってないと経験値は上がらず、会社の看板が消滅した瞬間に“タダの人”になってしまいます。

 もしただの「○○さん」になった時、自分の武器をどれだけ確保できるか考えましょう。そして自分の身の丈を知ったら、丸腰の人にならないための身の振り方を考えるべきです。

 製造業に限らず、どの産業も、この先10年でだいぶ様変わりすると思います。企業の統合、廃業が増えて首都圏集中から地域活性への転換も進められ、働き方も変わるので、企業間取引というスタイルだけでなく、協業やプロジェクト間取引も一般化してゆくでしょう。そしてそれに伴って、起業家やフリーランスの人口は倍速で増えていく予感がします。逆に起業しない方がいい人もいるでしょう。そういう人は「ルーティンワーカー」として、企業の仕組みの中でコツコツ働き続けるタイプです。それがダメなのではなく、そういう労働力も社会には必要です。

 よって、「起業や独立などして自律的に働く人」「組織の枠組みの中でルーティンをこなす人」が、今より目立って二極化するのではないかと思います。

 いずれにしても、「何をやってきた」よりも「何ができるのか」を自分の中で確立できていることが大事なのです。それが「個々のキャリアを連携し連鎖させることで、国家を支える力になる」につながるのではないでしょうか。


 製造業は、社会の動きに敏感に反応します。働き方改革などと政府が旗を振らなくても、民間レベルで知恵を出し合って少数精鋭化を図り労働力を流動化させるようになるでしょう。

 超高齢国家となる日本が、その現実にどう対処して生産高を維持していくのか。他の先進国も注目しているかもしれません。(終わり)

Profile

藤崎 淳子(ふじさき じゅんこ)

長野県上伊那郡在住の設計者。工作機械販売商社、樹脂材料・加工品商社、プレス金型メーカー、基板実装メーカーなどの勤務経験を経てモノづくりの知識を深める。紆余曲折の末、2006年にMaterial工房テクノフレキスを開業。従業員は自分だけの“ひとりファブレス”を看板に、打ち合せ、設計、加工手配、組立、納品を1人でこなす。数ある加工手段の中で、特にフライス盤とマシニングセンタ加工の世界にドラマを感じており、もっと多くの人へ切削加工の魅力を伝えたいと考えている。

・筆者ブログ「ガノタなモノづくりママの日常」



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