AI技術を活用した新適応制御技術を採用、形彫放電加工機シリーズ:FAニュース
三菱電機は、形彫放電加工機「SV-P」シリーズの最上位機種「SV12P」を発売した。AI技術を活用した新適応制御技術や独自の高精度技術を搭載し、微細加工から中大面積までの加工に対応する。
三菱電機は2018年6月7日、形彫放電加工機「SV-P」シリーズの最上位機種「SV12P」を発売した。AI技術を活用した新適応制御技術や独自の高精度技術を搭載し、コネクターなどの微細加工から、スマートフォン、自動車部品などの中大面積までの加工に対応する。標準価格は1750万円(税別)で、同年度中に100台の販売を目指す。
搭載の新型制御装置「D-CUBES(ディーキューブ)」には、同社のAI技術「Maisart(マイサート)」を内蔵。これを活用した新適応制御技術により、加工状態をリアルタイムに把握し、生産性を30%向上する。Maisartを活用した「加工時間見積もり機能」を搭載し、加工時間を自動で算出。前後工程間で発生する、段取りの時間ロスを削減する。
独自の高精度技術「サーマルバスター」も標準搭載し、加工位置の補正や上下軸冷却機構などの熱変位を抑制する。これに加え、独自のサーボ制御技術と高精度駆動部品を採用しており、±3μmの高精度加工を保証する。機械構造を見直して高剛性化を図り、Maisartとの組み合わせによって多種多様な加工に対応可能になった。
また、IoT(モノのインターネット)を活用したリモートサービス「iQ Care Remote4U」に対応した「加工状態見える化モニター」を採用。遠隔から装置稼働状態を監視し、運用と保守を支援する。
形彫放電加工機の最上位機種「SV12P」(クリックで拡大) 出典:三菱電機
- AIと機械学習とディープラーニングは何が違うのか
技術開発の進展により加速度的に進化しているAI(人工知能)。このAIという言葉とともに語られているのが、機械学習やディープラーニングだ。AIと機械学習、そしてディープラーニングの違いとは何なのか。
- 芽吹くか「組み込みAI」
第3次ブームを迎えたAI(人工知能)。製造業にとっても重要な要素技術になっていくことは確実だ。2017年からは、このAIを製品にいかにして組み込むかが大きな課題になりそうだ。
- 世界を変えるAI技術「ディープラーニング」が製造業にもたらすインパクト
人工知能やディープラーニングといった言葉が注目を集めていますが、それはITの世界だけにとどまるものではなく、製造業においても導入・検討されています。製造業にとって人工知能やディープラーニングがどのようなインパクトをもたらすか、解説します。
- 人工知能は製造現場でどう役に立つのか
人間の知的活動を代替するといわれる人工知能が大きな注目を集めている。ただ、製造現場で「使える」人工知能は、一般的に言われているような大規模演算が必要なものではない。「使える人工知能」に向けていち早く実現へと踏み出しているファナックとPFNの取り組みを紹介する。
- 工作機械も4.0へ、シェフラーとDMG森精機が描く「マシンツール4.0」
ドイツのインダストリー4.0が大きな注目を集める中、工作機械にもIoTを積極的に活用する動きが出てきている。軸受部品を展開するシェフラーと、工作機械メーカーのDMG森精機は工作機械のインダストリー4.0対応を目指す「マシンツール4.0」プロジェクトを推進している。
- アップルVSサムスン訴訟を終わらせた日本の工作機械の力
知財専門家がアップルとサムスン電子のスマートフォンに関する知財訴訟の内容を振り返り「争う根幹に何があったのか」を探る本連載。最終回となる今回は、最終的な訴訟取り下げの遠因となった「新興国への技術移転」の問題と「なぜ米国で訴訟取り下げを行わなかったのか」という点について解説します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.