製造業IoTでもカギはデータ、データベースでの強みを生かすオラクルハノーバーメッセ2018

オラクルはハノーバーメッセ2018に出展し、エンタープライズ領域でのERPやデータベースでの強みを生かし、製造業のビジネス革新につながるIoTソリューションを紹介した。

» 2018年05月22日 11時00分 公開
[三島一孝MONOist]

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 Oracle(オラクル)はハノーバーメッセ2018(2018年4月23〜27日、ドイツ・ハノーバーメッセ)に出展し、エンタープライズ領域でのERPやデータベースでの強みを生かし、製造業のビジネス革新につながるIoTソリューションを紹介した。

photo ハノーバーメッセ2018のオラクルブース。オラクルのジョン・バーカス氏(右)と日本オラクルの七尾健太郎氏(左)(クリックで拡大)

 オラクルは2017年のハノーバーメッセには出展していなかったが、今回は単独ブースで出展となった。その狙いについてオラクルのインダストリービジネスユニットのバイスプレジデントであるJohn Barcus(ジョン・バーカス)氏は「オラクルは世界でも有数のERP(Enterprise Resources Planning)システムベンダーであり多くの製造業を顧客に抱えている。その中でさまざまな課題を共有する機会があり、これらを解決するIoTアプリケーションを用意してきた。それをアピールするために新たに出展した」と述べている。

 ハノーバーメッセでは既に多くのITベンダーが出展しており、ERPなどを展開する企業も多いが、その中でオラクルの強みとしては「オラクルは特にITシステムの中でもデータベースで大きなシェアを保有している。IoTでも価値を生み出すために重要なのはデータ。そのデータを扱ってきた企業として、さまざまな価値を提案できる」と強みを強調する。

 その例としてデータセキュリティをバーカス氏は挙げる。「全ての製品や機器がつながるIoTの世界であらゆるシステムをサイバー攻撃から守るのは必要なことではあるが難しい。しかし、その中で守らなければならないのは価値の源泉がデータであることを考えれば、データだけ守れればよいということもいえる。データベースでの経験でデータをどのように守れば、価値を守ることができるかというノウハウなどもある」(バーカス氏)。

5つのIoTアプリケーションを用意

 これらの強みを生かし、ハノーバーメッセ2018では5つのIoTアプリケーションを用意。パートナー企業とともにデモ展示を行った。バーカス氏は「IoTで価値を生むシステムを作るにはバックヤードで膨大で複雑ななシステム構築が必要になる。大企業ではこれらのシステムを個々で用意できるかもしれないが、中堅以下の企業では単独で必要なシステムを全て用意しそれぞれを組み合わせてシステム構築するのは非常に難しいのが現実だ。これらをベストプラクティスを活用してパッケージ化し、価値を生み出す仕組みをそのまま提供できることがオラクルの特徴だ」と述べる。

 具体的には、設備管理を行う「IoT Asset Monitoring Cloud」、生産情報の遠隔監視を実現する「IoT Production Monitoring Cloud」、サプライチェーンにおけるモノの移動を管理する「IoT Fleet Monitoring Cloud」、従業員管理を行う「IoT Connected Worker Cloud」、サービス管理を行う「Service Monitoring for Connected Assets Cloud」を展開する。既存のERPシステムなどとの連携で、業務情報とIoTで取得した現場情報を組み合わせてKPI(主要業績評価指標)などを設定し、業務改善を図ることなども可能で「負担を軽減しながら、より早くIoTでビジネス価値を創出することができる」とバーカス氏は述べている。

photophoto 三菱電機などとの協力で披露した協働ロボットのデモ(左)。「IoT Production Monitoring Cloud」などを活用している。(右)は「IoT Connected Worker Cloud」の画面イメージ。従業員の状況や危険エリアに入っていないかなどを遠隔で確認できる(クリックで拡大)

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