E Inkは電子ペーパーを開発する台湾企業で、1997年にマサチューセッツ工科大学(MIT)からスピンアウトした米国企業が原点である。セイコーエプソン、フリースケール(Freescale Semiconductor)、マーベル(Marvell Semiconductor)、TI(テキサス・インスツルメンツ)といった半導体系企業と協業して技術開発している。日本法人 E Ink Japanの設立は2014年12月。
2000年頃から同社の電子ペーパーのビジネスが軌道に乗り始めて欧州を中心に、電子棚札への採用がされ始めた。現在は、デジタルサイネージやウェアラブル機器、ラゲージタグ、クレジットカードなど用途は多岐に及ぶという。現状は比較的サイズが小さなものが対象だが、将来は、建材やオフィスデザインといった大物への適用を狙う。
電子ペーパーが採用される主な理由としては、同社は以下を挙げる。
E Inkは電気泳動方式を採用する。電子ペーパーは紙と同等の表示品質であり、高いコントラストと180度の高視野角を備える。バックライト搭載のLEDと比較して目にかかる負担も少ないとしている。
顔料には紙への印刷と同じ顔料を使用する。マイクロカプセル内にある、負に帯電した白い粒子と正に帯電した黒い粒子を電極でコントロールして位置を割り当てることで高い解像度で描画する仕組みだ。現状、国内外の市場にあるものはモノクロのみだが、カラー(多色)表示対応の電子ペーパーも鋭意開発中であり2019年中に発売予定だ。
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