矢野経済研究所が、フォルダブル(折りたたみ)スマートフォンの世界出荷台数予測を発表した。フレキシブルOLEDディスプレイの採用拡大や透明PIフィルムの開発などを背景に、2018年は9万台、2020年には90万台規模になると予測している。
矢野経済研究所は2018年4月20日、フォルダブル(折りたたみ)スマートフォンの世界出荷台数予測を発表した。調査期間は同年1〜3月で、フレキシブルディスプレイ材料(PIフィルム、ハイバリアフィルム、その他フィルム)メーカーを対象に実施された。
曲面スマートフォン向けのPI基板を用いたフレキシブルOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイは、スマートフォンのデザイン性を向上できることから、採用が拡大している。こうした状況を受け、フレキシブルOLEDパネルの2018年の世界市場は前年比187.1%の2億6000万枚、2019年には4億9100万枚(いずれもメーカー出荷数量ベース)になると同社は予測する。
さらに、表面硬度5H程度、折り曲げ半径R1〜2程度の透明PIフィルムが開発されるなど、フォルダブル端末の要素条件は整いつつある。
フォルダブルスマートフォンは、2018年内にサムスン電子が製品化するという業界予測がある。一方で、端末開閉に伴うディスプレイの劣化やセンサーの断線、表面カバーの白化やひび割れなどの不具合の発生が避けられず、需要確立は2020年以降とみられる。
フォルダブルスマートフォンの世界市場規模(メーカー出荷数量ベース)は、2018年は9万台の見込みだ。2019年には30万台、2020年には90万台と急激な拡大が予測される。スタンダードになるにはさらに時間を要するが、市場投入を通じて、ニーズや材料の開発課題が明確になることから、材料メーカーは、ディスプレイメーカーなどの要求に応える技術力や開発力が求められることになりそうだ。
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