デルタ電子は、「TECHNO-FRONTIER 2018(テクノフロンティア2018)」で同社の主力製品を一堂に出展。同展示会から全世界でキャンペーン展開を始める「スマートマニュファクチュアリング」の取り組みについてもアピールした。
デルタ電子は、「TECHNO-FRONTIER 2018(テクノフロンティア2018)」(2018年4月18〜20日、幕張メッセ)で同社の主力製品を一堂に出展するとともに、同年4月18日に開催したプレスイベントにおいて、同展示会から全世界でキャンペーン展開を始める「スマートマニュファクチュアリング」の取り組みなどについて紹介した。
台湾で創業したデルタ(Delta)グループは、世界有数のスイッチング電源、冷却ファンメーカーであり、またパワーマネジメント、電子部品、ディスプレイ、FA、ネットワークから再生可能エネルギーソリューションに至るまで、広範に渡る機器とサービスを提供している。
同グループ CBO(最高ブランド責任者)の郭珊珊氏は「当グループは7年連続で台湾の国際ブランドに選出され、そのブランド価値は5年連続で2桁成長している。デルタのミッションは、高効率でクリーンなエネルギーソリューションを提供するというもので、その施策の1つとして気候変動に対する先進的企業としての評価も高い。ダウ・ジョーンズ・サスティナビリティ・ワールド・インデックスにも7年連続で選ばれている」と述べるなど、グループの近況を報告した。
デルタのビジネスカテゴリーは、組み込み型電源、コンポーネント、ファン&熱対策ソリューションなどの「パワーエレクトロニクス」、産業自動化、ビルオートメーションから成る「オートメーション」、エネルギー・ICTインフラストラクチャを提供する「インフラストラクチャ」の3部門がある。これらの中で、今回の展示会ではオートメーションとインフラストラクチャについて、同社の取り組みを積極的に訴求した。
インフラストラクチャ分野では、デルタが考える「マイクログリッドインフラストラクチャ&ビルオートメーション」の概念を紹介。郭氏は「デルタではこれまで取り扱ってきたPV(太陽光発電)インバータ、パワーコンディショニングシステム、エネルギーストレージシステム、データセンター関連、セキュリテイシステムなどとともに、EV(電気自動車)用充電器を使って将来的にはV2G(Vehicle to Grid)やV2H(Vehicle to Home)を実現したい」と意欲を示す。
オートメーション分野では、工場モニタリング、エネルギー管理、スマートデバイスなどにより「スマートマニュファクチャリング」を実現していくという。「特に設計と製造がリンクしていることで素早い製造の変更ができることや、リアルタイムの監視、品質管理や最終的なパッケージングまでを、全て『スマートマニュファクチャリング』というキーワードでつないでいく」(郭氏)という。
デルタグループでは、世界的に実績のある電源やFA機器、モーションコントローラー、センサーなど個別の製品で高い評価を受けてきた。郭氏は「今後はこれらのデバイスを統合したオートメーションを追求する。それはロボットからスマートマシン、スマートファクトリー、スマートプロセスを経て『スマートマニュファクチャリング』という道のりとなる」と説明する。
デルタグループ自身でも、既に自社工場で自動化の取り組みを進めており、そこで得たノウハウやインテリジェンスを「スマートマニュファクチャリング」というソリューションにまとめ上げる考えだ。また、そのソリューションの特徴として「少量多品種の製造に対してフレキシブルな製造ラインを迅速に作れることや、ハードとソフトウェアを融合することで複雑なマテリアルハンドリングが管理しやすくなること」(郭氏)などを挙げた。
テクノフロンティア2018の展示では、この「スマートマニュファクチュアリング」を実現するACサーボシステム「ASDA-A2」や、SCARAロボットを活用した自動整列コンベヤーの実演デモ展示をはじめ、近い将来のEVの普及に伴う電力不足に際して、PVなどの再生可能エネルギー、エネルギーストレージ、EV用充電器と管理システムを統合したソリューション(EZQCインフラソリューション)を提案した。
自動整列コンベヤーラインの実演デモンストレーションでは、同社のコンポーネントを用いてシンプルでスピーディ、しかも低コストで構築できることをアピールした。一般的に、ランダムにコンベヤーを流れてくる搬送物を整列するには、コンベヤーのスピードを調節するために、ACサーボモータを制御するための上位のモーションコントローラーなどが必要になる。デルタのACサーボシステムは、上位のコントローラーを用いずに、ACサーボシステムだけでコンベヤーのスピードを調節し、搬送物を整列する機能を実現している。このため、ライン構築におけるコストの低減やタクトタイムの改善が可能だ。今回の実演デモにおいては、ランダムに送られてくる部品サンプルを、ACサーボシステムだけで整列する様子を披露した。
EZQCインフラソリューションは、再生可能エネルギーとエネルギーストレージを活用することで電力を効率よく供給する仕組みと、EV用充電器の管理や柔軟な課金システムを組み合わせた統合ソリューションだ。EVの急速な普及が近い将来に見込まれる中、供給電力の不足や電力の有効活用が課題になっているが、同社はこの課題をEZQCインフラソリューションによって解決することを目指している。
これらの他、テクノフロンティア2018では、オープンプラットフォームによるビルディング管理制御システムである「ビルマネジメント・コントロール・システム」、熱対策コーナーでは、高効率省エネルギー電子整流ファン(ECファン)、産業用・医療機器用標準電源など、高効率・省エネルギー・スマート化を実現する製品やソリューションを多数展示した。
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