東芝は、組み込み機器向けの超低消費電力アナログAIアクセラレータチップを開発した。ニューラルネットワーク演算の大部分を占める積和演算を、従来比8分の1の消費電力で処理可能になる。
東芝は2018年2月9日、組み込み機器向けの超低消費電力アナログAI(人工知能)アクセラレータチップを開発したと発表した。ニューラルネットワーク演算の大部分を占める積和演算処理にかかる消費電力を、従来のデジタル回路の8分の1にまで削減した。
開発した新チップは、独自の発振回路を採用。発振時間と発振周波数を動的に制御して演算する新演算処理技術を導入した。
同技術によって、これまで個別のデジタル回路で処理していた乗算、加算、記憶を1つの回路で処理できる。演算処理用のトランジスタ数を削減できるため、消費電力を同程度の面積で従来比8分の1にできると試作チップで確認した。
新チップでは、画像認識や故障検知のニューラルネットワークの推論処理のデモ動作にも成功。エナジーハーベスト(環境発電)や遠隔無線給電で動作する組み込み機器へのAI搭載が可能となり、機器の異常検知や寿命予測などにも応用できると見込んでいる。
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