簡単IoTが描くカイゼンの進む道、大きなポイントは「OPC UA」 : SCF2017 (2/2 ページ)
今回「簡単見える化」を実現する機器として、急速に採用が拡大しているのが「OPC UA」である。OPC UAはドイツのインダストリー4.0の推奨規格として早期から位置付けられており、欧州などを中心に急速に関連機器を増やしている(※) 。
(※)関連記事:インダストリー4.0で重要な役目を果たす、Windows生まれの「OPC UA」
新たにオムロンがOPC UA対応のPLC「NJシリーズ」を紹介。2018年1月からOPC UA標準搭載モデルの出荷を開始するという。オムロン インダストリアルオートメーションビジネスカンパニーの商品事業本部 コントローラ事業部 第1開発部 部長の宗田靖男氏は「OPC UAはインダストリー4.0の推奨通信規格となっており欧州企業の採用が急加速で進んでいる。稼働監視などを安心に実現するためには対応が必要だと考えた」と述べていた。
オムロンがSCFに出展したOPC UA対応のNJシリーズ
シュナイダーエレクトリックは、OPC UA対応を1つの切り口として、IoT対応PLCの日本展開を計画する。Ethernet/IPの他、OPC UAに対応し上位システムと容易に接続が可能で、2018年に投入する計画を示している。シュナイダーエレクトリック 営業企画部 部長の林哲士氏は「OPC UA対応などへのニーズは高い。包装機器など今後IoT対応を広げていきたい機器メーカーに対して提案を進めていく」と述べている。
シュナイダーエレクトリックのOPC UA対応のコントローラー。2018年に国内でも投入する計画
その他、以前からOPC UA対応PLCを展開してきた日立製作所グループなども訴求を強化。現状ではモーションコントロール領域の通信規格については集約の兆しは見えないが、IT(情報技術)とOT(制御技術)を結ぶ領域ではOPC UAのデファクトスタンダード化が進みつつある様子を示していた。
第4次産業革命を支える「簡単でシンプルなIoT」の意義
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説していきます。第15回となる今回は最近注目される「簡単でシンプルなIoT」についてまとめます。
IoTは町工場でも成果が出せる、市販品を次々に活用する旭鉄工の事例
調査会社のガートナージャパンが開催した「ガートナー・ITインフラストラクチャ&データセンターサミット2017」の基調講演では、自動車部品製造の旭鉄工が登壇。「町工場でも成果の出せるIoT!〜昭和の機械も接続〜」をテーマに、初期投資が低く町工場でも簡単に使えるIoTシステム構築への取り組みについて紹介した。
信号灯から始めるIoT、ジェイテクトが古い機械でも接続できる「見える化」を提案
ジェイテクトは、CPS/IoTの展示会として生まれ変わった「CEATEC JAPAN 2017」に初出展。古い機械でも簡単に稼働監視が行える「JTEKT-SignalHop」など、簡単にIoTによる生産革新に取り組めるソリューションを提案した。
スマートファクトリーがいよいよ現実解へ、期待される「見える化」の先
ドイツのインダストリー4.0がきっかけとなり関心が高まった、IoTを活用したスマートファクトリー化への動きだが、2017年は現実的成果が期待される1年となりそうだ。既に多くの実証成果が発表されているが、2017年は、実導入ベースでの成功事例が生まれることが期待される。
ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】
「インダストリー4.0(Industrie 4.0)」という言葉をご存じだろうか? 「インダストリー4.0」は、ドイツ政府が産官学の総力を結集しモノづくりの高度化を目指す戦略的プロジェクトだ。インダストリー4.0とは何なのか。同プロジェクトに参画するドイツBeckhoff Automationグループに所属する筆者が解説する。
インダストリー4.0の地味化はいい傾向?悪い傾向?
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについてお伝えしています。第13回となる今回は、2017年4月に開催されたドイツの「ハノーバーメッセ 2017」で見えた傾向についてまとめます。
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