ボッシュは、「第45回東京モーターショー 2017」のプレスブリーフィングにおいて、自動運転に求められる高精度地図の作成でインクリメントPと提携したと発表した。これにより、北米、欧州、中国に加えて、日本でも地図ベンダーと提携したことになる。
ボッシュは2017年10月26日、「第45回東京モーターショー 2017」(東京ビッグサイト、プレスデー:10月25〜26日、一般公開日:10月28日〜11月5日)のプレスブリーフィングにおいて、自動運転に求められる高精度地図の作成でインクリメントPと提携したと発表した。これにより、北米、欧州、中国に加えて、日本でも地図ベンダーと提携したことになる。
ドイツ本社のRobert Bosch 取締役会メンバーでモビリティ ソリューションズ事業部門長を務めるロルフ・ブーランダー(Rolf Bulander)氏は「前回の東京モーターショー2015で、自動車の未来として示した『自動化』『電動化』『ネットワーク化』はさらなる進展を見せている。このうち自動化で重要な役割を果たす高精度地図の作成で、日本の大手地図ベンダーであるインクリメントPと提携できるのは大変喜ばしいことだ」と語る。
ボッシュが高精度地図の開発の中核技術としているのが、車載カメラとミリ波レーダーを用いて高精度に自車位置を推定する「Radar Road Signature」だ。高精度地図のデータ収集では、車載カメラの画像データや、赤外線で車両周辺をスキャンするライダー(LiDAR)のデータを活用する事例が一般的だ。これに対してRadar Road Signatureは、ミリ波レーダーを用いる点が大きく異なる。「車載カメラの画像データだけを用いる場合、データ容量が大きいことが課題になる。ライダーは、現時点では量産車に採用されておらず、いつごろから用いられるかも不透明だ。車載カメラだけよりもデータが軽く、既に多くの量産車に搭載されているミリ波レーダーは高精度地図の作成に有用だろう」(ボッシュの説明員)。
なお、Radar Road Signatureでは、ミリ波レーダーの測定データを自動車メーカーのクラウドを経由してボッシュのクラウドプラットフォーム「Bosch IoT Cloud」に上げ、「ローカリゼーションレイヤー」と呼ぶ自車位置推定のための地図の構成要素に加工する。インクリメントPなどのボッシュと提携する地図ベンダーは、このローカリゼーションレイヤーを自身の持つ高精度地図データに取り込んで、自動運転用の地図を作成する。
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