情報通信白書2017では、IoTのレイヤー(階層)を「端末・キーデバイス」「ネットワーク」「プラットフォーム」「サービス(データ流通)」の4つの階層で整理し、具体的な市場の規模や成長性を予測している。その中から「端末・キーデバイス」で用途やキーとなる技術などの動向を紹介する。
IoT化が進めばさまざまな機器がネットワークにつながり、データの収集や処理の機能を持つデバイスがエッジ領域に数多く存在してくる見込みだ。
ここでは、オプトエレクトロニクス製品の代表格である「画像センサー」を紹介する。スマートフォン搭載カメラの増加や高機能化、また最近では自動車や監視カメラのような新たな用途市場の拡大で成長が続いている。業界トップメーカーの1社であるソニーはスマートフォン向けを中心にその他用途へも積極的に成長市場に製品を投入。ただ、画像センサーそのものは半導体の市場動向に左右され汎用品は低価格化が進んでいるため、市場規模は100億ドル台で横ばいが続く見込みである。
スマートシティーやスマート工場については、広範囲な定義を有する概念であるため、ここでは代表的品目としてスマートメーター市場と産業用ロボット市場について見てみる。世界のスマートメーター(電気)市場は、既に一定の規模に達しており、台数ベースでは1.5億台、売上高では40億ドルとなっており、今後も堅調に増加していくと予想される。
産業用ロボットの世界市場における出荷は114億ドル規模となっており、主要地域でほぼ等分に分散している。とりわけ、日本の出荷金額のシェアが目立つ。
ウェアラブル端末は、一般消費者向け(B2C)機器では、カメラやスマートウォッチなどの情報・映像型機器や、活動量計などのモニタリング機能を有するスポーツ・フィットネス型機器などが挙げられる。業務用(B2B)では、医療や警備、防衛などの分野で人間の高度な作業を支援する端末や、従業員や作業員の作業や環境を管理・監視する端末が既に実用化されている。
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