「我が国製造業の強みの維持・強化 サブWG(SWG4)」は、日本の製造業の強みと弱みを明らかにし、総合的な対策につなげていくための前提を議論するSWGである。第4次産業革命などの動きが世界中で活発化する中で、グローバル競争に勝ち抜くためには日本の強みを生かし、弱みを克服する取り組みが重要になる。ただ、そもそもの強みと弱みが共通認識としてなく、総合的な対策が打ちづらいという現状がある。これらを解決するために議論を深める活動を行った。
具体的には、現在の市場の状況と普遍的な日本企業の状況を照らし合わせ、強みや弱みと成り得る要素を導き出し、さらに今後の市場環境を予測し、今後の日本企業に必要なものを導き出すという取り組みである。
「ITシステムとFA現場の融合をめざした情報連携 サブWG(SWG5)」は、第4次産業革命の動きなどに対し各国が全体システムの設計を進める中で、ITシステムとFAシステムを組み合わせる中で最適な協調の在り方や具体的な議論のポイントを探るというもの。SWG3の活動と似ているように見えるが、SWG3がシステムインテグレーションの負担や意思疎通のロスなどを低減することを目指したより具体的な取り組みであるのに対し、SWG5はFAとITが協調する最適な全体設計を描くことを目指していることが違いとなる。
具体的にはドイツが進めるインダストリー4.0のリファレンスモデル「RAMI4.0」に対し、ITやFAのコンポーネントがどう当てはまるのかマッピングを行った他、IT・FA連携モデルを適用した生産システム構成例などを描いた。また、IoTや第4次産業革命の動きの中では、サイバーフィジカルシステム(CPS)が大きなポイントになるとされているが、FAとITの協調の動きを実現するためには、バーチャル空間の中で1つのITシステムとの連携を取るのではなく、実時間に対応するITシステムと、非実時間で動くITシステムを切り分ける必要がある点などを強調した。
これらの取り組みにより、要求機能を導き出した。具体的には「共通事項」「サービス管理」「データ構造とその管理」「製品データ管理」「設備とその管理」「セキュリティ」「カイゼン」の7つの項目でまとめた。「インタフェースを介して互いに共有可能なデータを連携」する協調領域を創出し、それぞれのITコンポーネント、FAコンポーネントが有する機密データ(競争領域)を公開しなくても、互いのサービスの呼び出しや、プロファイル確認を行うことができるモデルを作り出す第一歩を実現できたと同SWGでは位置付けている。
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