アームは、同社のプロセッサコアである「Cortex-M0」「Cortex-M3」の設計開始時のライセンス費用を無償化するなど、「ARM DesignStart」プログラムの強化について発表した。
アーム(ARM)は2017年6月20日、同社のプロセッサコアである「Cortex-M0」「Cortex-M3」の設計開始時のライセンス費用を無償化するなど、「ARM DesignStart」プログラムを強化することを発表した。組み込みソリューションにおける、迅速・低価格・低リスクな開発を支援する。
ARM DesignStartは、ARM IPへの迅速なアクセスを可能にするプログラム。2015年にCortex-M0が追加され、高効率なカスタムシステムオンチップ(SoC)の開発が容易になった。
今回のプログラム強化では、従来のCortex-M0に加え、新たにCortex-M3プロセッサを追加した。また、設計開始時のライセンス費用と評価を無償とし、成功報酬型のロイヤルティーモデルが適用され、カスタムSoCの開発リスクが低減する。
さらに、ファストトラックアクセスが即時の無償ダウンロード/評価/プロトタイプ開発を可能にし、数日でCPUが商用化できる。CoreLink SSE-050サブシステムとmbed OSに対する検証済みのサポートは、拡張性とセキュリティを備えたマネージドIoT製品開発の生産性を10倍以上向上できるという。
その他、ARMおよびARM認定デザインハウスパートナーによる設計サポートサービスにより、「チップが欲しいだけ」の企業もカスタムSoCで収益を生み出せるようになった。また、何千ものフィジカルIPライブラリを利用できるため、高速で効率的なシリコン実装が可能になっている。
同社では、今回のARM DesignStartの強化により、小さなセンサーから高集積度のSoCまで、幅広い機器の設計をカスタマイズする機会創出につなげる。設計開始時に無償となるARM、サブシステムIPなどにより、市場投入のリスクを軽減するほか、試作品と初期サンプルはロイヤルティーフリーとした。
既に多くの企業がカスタムSoCで利益を上げている。例えばS3 Groupでは、工業制御アプリケーション向けに消費電力を70%、部品コストを80%、プリント基板のサイズを75%縮小するARMベースのカスタムSoCを開発した。
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