ソラコムは、LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの有力候補の1つとして知られるLoRaWANへの取り組みを進めている。2017年2月には正式に「SORACOM Air for LoRaWAN」としてサービスを開始した(関連記事:LoRaWANの商用利用を開始、ゲートウェイ1台当たり年間15万円で導入可能)。
ただし、SORACOM Air for LoRaWANについては、末端の機器側でLoRaWANの通信を行うLoRaデバイスと、各LoRaデバイスからの通信をとりまとめるLoRaゲートウェイは、ソラコムが検証済みのレファレンスプラットフォーム(エイビット製)しか利用できなかった。しかし「顧客から他のLoRaデバイスも併せて使いたいという要望があった」(玉川氏)ため、SORACOM Air for LoRaWANと接続可能なLoRaデバイスの認証をオープン化することとした。
2017年5月10日からLoRaデバイスの登録申請の受付を開始するが、現行のエイビット製を含めて6社のLoRaデバイスがSORACOM Air for LoRaWANに対応することが決まっている。内訳は、LoRaの通信機能を持つ部品である「LoRaWANモジュール」が4社、アンテナなどを含めた半完成品状態の「LoRaWANエンドデバイス」が2社となっている。
SORACOM Air for LoRaWANでは、LoRaゲートウェイを自社で所有せずにユーザー間で共有する「共有サービスモデル」を用意している。現在、共有サービスモデルのLoRaゲートウェイは国内に約30台あるという。玉川氏は「LoRaWANの普及に向けて、LoRaデバイスの認証のオープン化や、共有サービスモデルは重要な役割を果たすだろう。IoTに最適なLPWAネットワークに注目が集まる中、LoRaWANの進展にも確かな手応えを感じている」と述べている。
なお、ソラコムは「第6回 IoT/M2M展」(2017年5月10〜12日、東京ビッグサイト)に16社のパートナー企業と共同で出展し、新サービスやLoRaWANに関する取り組みなどについて紹介する予定だ。
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