米Maxim Integrated Productsは、1次電池アーキテクチャ対応のウェアラブルPMIC「MAX20310」を発表。0.7Vの低入力電圧に対応し、ディスクリートソリューションに対してソリューションサイズを50%削減した。
米Maxim Integrated Productsは2017年3月29日(現地時間)、1次電池アーキテクチャ対応のウェアラブルPMIC「MAX20310」を発表した。再充電不可の医療パッチ、環境/機器モニタリング、産業用IoT(モノのインターネット)用ディスクリートセンサーなどのアプリケーションなどでの用途を想定している。
MAX20310は、単一インダクターマルチ出力アーキテクチャを使用して、超低自己消費電流性能を備えた4つの電源出力を内蔵。また、0.7〜2Vの低入力電圧に対応し、空気亜鉛、酸化銀、アルカリなどの高エネルギー密度バッテリーアーキテクチャ、及びアルカリバッテリーアーキテクチャに使用可能だ。
さらに、ディスクリートソリューションに対してソリューションサイズを50%削減し、スリープまたはスタンバイモード時の自己消費電流を40%低減した。これにより、バッテリー寿命が向上している。動作温度範囲は−40〜85℃。1.63×1.63mmのウエハーレベルパッケージで提供される。
臨床環境では、1次電池アーキテクチャによって密封型ユニットの作成が可能になり、使用後の殺菌や完全な廃棄によって患者間の感染を防止できるという。
ウェアラブル医療やフィットネスアプリケーションを設計する場合、小型化やバッテリーの長寿命化などを考慮する必要がある。しかし、高度な電源ツリーを構築する際に使用するディスクリートソリューションは自己消費電流が大きく、スリープモード時にバッテリー寿命を消耗させる。また、臨床環境において、クリップやチャージングポートに細菌付着の可能性があることが課題となっていた。
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