大阪大学は、人体の骨格筋が高速・高エネルギー効率で収縮する仕組みを世界で初めて解明した。今後、極めて省エネルギーなナノデバイス設計などに応用できる可能性がある。
大阪大学は2017年1月11日、人体の骨格筋を形作るアクトミオシン複合体繊維の立体構造を解明し、高速かつ高エネルギー効率で収縮する仕組みを世界で初めて明らかにしたと発表した。
アクトミオシン複合体の像をクライオ電子顕微鏡で撮影し、画像解析法を用いて立体構造を高分解能で解析。骨格筋収縮時に、アクチン繊維にミオシン繊維の頭部が結合することで起きるミオシン頭部の構造変化を明らかにした。さらに、収縮のエネルギーには「熱のゆらぎ」を活用していることも解明した。
骨格筋の収縮運動は、アクチン繊維がミオシン繊維と結合することで構造が変化し、収縮が起こると考えられてきた。しかし、収縮のエネルギー源となるATPをミオシン繊維がどのように利用し、なぜ骨格筋が高速かつ高エネルギー効率で収縮できるのか、その仕組みは分かっていなかった。
同研究は、同大学大学院生命機能研究科の藤井高志特任助教と難波啓一教授によるもの。同月9日、英科学誌「Nature Communications」で公開された。今後、極めて省エネルギーなナノデバイス設計などに応用できる可能性があると期待している。
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