ダッソーとASLが航空宇宙産業向けプログラムで協業:CADニュース
仏ダッソー・システムズは、仏Airbus Safran Launchersと協業した。この協業により、Dassault Systèmesの航空宇宙産業向「ウィニング・プログラム」は、欧州のロケット開発プログラムにおいて中核的な役割を担うことになる。
仏ダッソー・システムズ(ダッソー)は2016年11月29日(現地時間)、仏Airbus Safran Launchers(ASL)と協業したと発表した。この協業により、ダッソーの航空宇宙産業向け「ウィニング・プログラム」は、欧州のロケット開発プログラムにおいて中核的な役割を担うことになる。
ASLは、欧州宇宙機関の次世代ロケット「アリアン6」の主契約業者だ。アリアン6の開発に携わる同社エンジニアは、システム設計、詳細設計定義、推進系や宇宙船の検証などにダッソーのソリューションを活用している。
ダッソーのウィニング・プログラムは、航空機開発プログラムの初期段階において、設計/シミュレーション/コラボレーションなどを用いたプログラム管理を最適化する。構想設計段階においては、詳細な設計と知識を共有し、プログラム全体のコストやパフォーマンス、スケジュールの順守率を改善する。
他に、協調設計によってバーチャルな試作機を共有し、デジタル資産の作成と検証を行い、エラーや変更を最小限に抑える。これにより、開発から生産までの期間が短縮可能となる。
宇宙産業では、多くの参画企業が高性能でコスト効率の良いロケットの開発・提供に向けて、オペレーションの変革に迫られている。今回の協業は、宇宙開発において新しいモデルの設計や開発およびアリアン6の納機が予算/スケジュール/仕様通りに進む見通しを早期につけることに貢献するという。
「アリアン6」イメージ
- 3DとWebで知財を共有するPLMツール―ENOVIA V6
製造業を取り巻く厳しい経営環境の中で、高い次元のQCDを達成するにはITツールによる業務支援が不可欠である。本連載はPLM、ERP、SCMなど製造業向けの代表的な業務支援ソフトウェアの特徴をレポートしていく。
- “技術だけ”で革新を考える日本、幅広い視野に立つ世界
製造業のデジタル化が加速している。さまざまな変化が進む中、モノづくりはどう変化していくだろうか。さまざまなシステムでモノづくりを支えてきたフランスDassault Systemesのエグゼクティブ バイスプレジデントでCSOであるモニカ・メンギニ氏に話を聞いた。
- CAEエキスパートが見て・感じた! CAEの最新技術動向&ユーザー事例
2015年5月に独ベルリンで仏ダッソー・システムズによる「Simulia Community Conference 2015」が開催された。機械メーカーのCAEエキスパートである筆者が、イベント内の講演やユーザー事例について、自身の経験談や業界事情も交えて紹介する。
- デザインの意思決定が迅速化される「SOLIDWORKS INDUSTRIAL DESIGN」
米ソリッドワークスは、年次プライベートイベント「SOLIDWORKS World 2015」を米国アリゾナ州フェニックスで開催。最初の基調講演ではSOLIDWORKSブランドの新・旧CEOが登壇し、2014年の振り返りと仏ダッソー・システムズの「3DEXPERIENCE platform」に対応する新たなアプリケーション「SOLIDWORKS INDUSTRIAL DESIGN」の詳細が明らかにされた。
- モノづくりIT化の基礎情報ガイダンス
そろそろモノづくりの仕組みをIT化しないとマズイ! そんな危機感はありつつも、どこからどう手を付けたらいいのか、自社の戦略とマッチした製品は何か、などなど、謎だらけだ。セールストークにだまされた気分にならないためにも、事前にしっかり準備しておこう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.