三菱電機はIoT(Internet of Things、モノのインターネット)を活用したソリューションを紹介するプライベート展示会「三菱電機アドバンストソリューション2016」(2016年11月9〜11日)を都内で開催。その中で2016年4月からサービスを開始した同社レーザー加工機向けの遠隔監視サービス「iQ Care Remote4U」の導入状況などについて紹介した。
「iQ Care Remote4U」は、三菱電機が展開するレーザー加工機の遠隔監視を行うサービスである。レーザー加工機にソフトウェアと通信機能などを追加することで、加工機の状態や、加工実績、電力やガス消費量などの情報を送信、蓄積し見える化するものである。ユーザー側はPCやスマートフォンなどからリアルタイムにレーザー加工機の障害やその予兆、加工予測時間などを確認することが可能になる。
「iQ Care Remote4U」による保守の作業工程の削減イメージ(クリックで拡大)出典:三菱電機
「iQ Care Remote4U」は1台当たり年間8万円。同社のレーザー加工機の新製品には無償で提供しているが、既存の旧製品にも導入することが可能だ。2016年4月のサービス開始時から現在までで60台分のサービスを提供。その中で半分弱が既存設備への導入だという。「当初想定したよりは順調に導入が進んでいる。以前からリモート診断などのサービスは用意していたが、従来はユーザー側に通信費を負担する意識も少なく、データを預ける不安など心理的な壁も大きかった。しかし、IoT活用の流れが広がりを見せる中で、そうした“意識の壁”は大きく変化してきたと感じている」(三菱電機)と進捗について語っている。
NECと三菱電機がFA分野のIoTで連携、2016年4月から新サービスを提供
NECと三菱電機は2016年3月7日、FA分野におけるIoT活用について連携すると発表した。NECは各種データの収集・加工・蓄積などを行うIoTプラットフォームや、ソフトウェアVPNサービスを三菱電機に提供。三菱電機はこれらを活用し、レーザー加工機の稼働状況のリアルタイムでの確認や遠隔診断を可能とするリモートサービス「iQ Care Remote4U」を同年4月より提供する。
モノづくり“だけ”ではダメ、日本政府が推進する「ものづくり“+”」の意味
「つながる工場」実現に向け、製造業、製造機械メーカー、ITベンダーなどが参加する「Industrial Value Chain Initiative(IVI)」が取り組みの進捗状況を紹介するIVI公開シンポジウムを開催。本連載では、同シンポジウムの内容を紹介する。第3回は日本政府における製造業の第4次産業革命への取り組み支援について、経済産業省 製造産業局 ものづくり政策審議室長の徳増伸二氏の講演内容をお伝えする。