テスト実施するためにはプログラムが必要です(当たり前ですが)。今回は、テスト技術者におなじみの三角形判定問題で考えてみましょう(表1、List1)。
仕様 :3辺の値から正三角形、二等辺三角形、不等辺三角形を判定するプログラム
仕様-1 :3辺の値が等しい場合、画面に「正三角形」と出力する。
仕様-2 :3辺の値のうち、2辺が等しい場合は、画面に「2等辺三角形」と出力する。
仕様-3 :3辺の値が全て異なる場合、画面に「不等辺三角形」と出力する。
仕様-4 :三角形の判定をする場合は、以下を考慮すること。
4-1:3辺の値のいずれかが0以下の場合は、画面に「入力エラー」と出力する。
4-2:三角形が成立しない場合は、画面に「三角形ではありません」と出力する。
(辺1 > 辺2 + 辺3, 辺2 > 辺1 + 辺3, 辺3 > 辺1 + 辺2)
表.1は三角形判定プログラムの仕様です。シンプルにするため、直角三角形と直角二等辺三角形は考慮していません(この仕様では、直角三角形は、「不等辺三角形」、直角二等辺三角形は「二等辺三角形」になります)。この三角形判定プログラムの仕様は、要約すると次のようになります。
#include<stdio.h>
void triangle_handler(int side1, int side2, int side3);
main() {
triangle_handler(1,2,3);
triangle_handler(4,4,4);
triangle_handler(3,3,4);
triangle_handler(3,4,5);
}
void triangle_handler(int side1, int side2, int side3)
{
//入力チェック
if ( (side1 <= 0) || (side2 <= 0) || (side3 <= 0) ) {
printf("入力エラー\n");
return;
}
//三角形判定
if ( (side1 + side2 > side3) && (side2 + side3 > side1) && (side3 + side1 > side2) ) {
if (side1 == side2 && side2 == side3 && side3 == side1) {
printf("正三角形\n");
} else if ( (side1 == side2) || (side2 == side3) || (side3 == side1) ) {
printf("二等辺三角形\n");
} else {
printf("不等辺三角形\n");
}
} else {
printf("三角形ではありません\n");
}
}
List1は筆者が作成した三角形判定プログラムです。プログラムには、2つの関数(mainとtriangle_handler)があり、main関数から呼び出します。triangle_handlerは、3つの引数(side1、side2、side3)があり、これが3辺に相当します。呼び出す場合、triangle_hander(1、2、3)という形でコールし、判定します。
プログラムを実際に実行すると「三角形ではありません」「正三角形」「二等辺三角形」「不等辺三角形」と表示するはずです。現状では、入力エラー(3変数のどれかが0になるパターン)は、意識的に実行していません。よく見ると、いくつも問題はありますが、あくまでも例題としてお考えください。
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