組み込み開発の大規模化により、プログラムテストの重要性が高まっています。パス網羅をベースにする単体テストは困難な作業ではありませんが、ツールを導入することで効率化できます。今回はGcovを用いたテスト手法を紹介します。
ソフトウェアにおけるブラックボックス・テストの王様が「同値分割」と「境界値分析」なら、ホワイトボックス・テストの帝王が「パス網羅」です。
パス網羅は、実行しうるパスの何パーセントをテストで網羅したかが、キチンとした数字で計算できるので客観性がありますし、「一度もテストしていないスイッチがある自動車は、怖くて運転したくないし、市場にリリースできないでしょ?」と前置きして、C0パス網羅100%を求めるクライアントも少なくありません(*1)。
組み込み開発の大規模化により、単体テストの重要性が高まっています。システム全体を組み上げてからC0網羅を100%実施するには、多大な時間と労力が必要ですが、単体テストレベルでの(モジュール単位での)C0100%網羅はそれほど難しくありません。
ただし、パス網羅自体のアイデアは非常にシンプルですが、単体テストであっても、パス網羅ツールを使わないと、網羅の抜けや、二重カウントが発生し、面倒なことになります。今回は、単体テストで実際にパス網羅ツールを使い(しかも、無料ソフトウェア)、「パス網羅」の食わず嫌いを直していただければ幸いです。
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