この要件を満たす発電システムの構成を考えてみましょう。
以上をイメージ化すると図5に示すシステム構成が考えられます。さらに整理すると図6に示す機能ブロック図で表すこともできます。
今一度、人が制御を行う場合を想像してください。上手く制御を行う熟練操作員は、もともとセンスが良いのかもしれませんが、最初から熟練していたわけではありません。熟練=数多くの経験をして実績を積み上げてきて、いろいろな場面で上手く乗り切る技量を有しているということです。
もし、実システムと同じ振る舞いをする練習台が有ればどうでしょう。素人でも、練習台でいろいろな場合を想定した練習を積んで技を身に付けておけば、初めて実システムに向かっても熟練者並みの技量を発揮できるでしょう。この装置をシミュレータと呼びます。飛行機のフライトシミュレータは、シミュレータの代表例といっていいでしょう。
ECUについても同じことが言えます。ECUをいったん作り上げて作動させると、システム状態が故障などで変化しない限り正常に作動を続けます。しかし、試作したECUを初めてシステムに組み込んで作動させる場合は、人が操作するのと同様に上手く作動して制御させることができるかどうかは保証の限りではありません。ECUにもシミュレータがあれば、入出力回路や制御ロジックがうまく働くかどうかを事前に確認し調整することができます。HILSとはECUにとってのシミュレータなのです。
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