AIはさまざまな形で無視されたり、過大な約束を果たせないことを非難されたりしながら1980年代まで動きがありませんでした。しかし、ムーアの法則から生まれた1980年代の楽観主義の新しい波に乗って業界全体でベンチャー投資が急増し、研究者は再びAIの夢を見始めました。
ルールベースのシステムは、主題専門家が問題を解決したと考えた方法を人間のインタビュワーが記録して、その考えをルールに抽象化するのに役立つフレームワークである「エキスパート・システム」に名前を変えて復活しました。
ニューラル・ネットワークの研究者は大型化・複雑化したネットワークを構築し、計算能力をはるかに向上させれば、現実世界のマシンビジョンといった偉業も達成できる可能性を確認しました。これに関連するハイブリッドのアイデアであるファジー・ロジックは、制御システムに幾つかの見通しをもたらすことが分かりました。しかし再び進歩は止まり、注目されることがなくなりました。
AIに影響を与える次の大きなアイデアは、インターネット検索エンジンという予想もしなかった方向から登場しました。膨大な数のWebページを効果的に検索するツールのニーズと経済性が一致して、大規模データセンターが実現のものとなりました。この環境で、超並列検索の基本的な3層構造が進化しました(図 3)。
最上層は巨大なデータプールの構造を表します。データはWebを調査するスパイダが連続的に構築し、検索可能なデータと識別しやすい鍵をキャプチャーして、基本的に構造化されていないプールにロードします。
2番目の層では、大量のデータセットを関連性によってフィルタリングします。この層はクエリが届くと、何らかの関連性を持つ可能性があるページを特定するフィルターを、テキスト内のメタデータやパターンなどの容易にアクセス可能な特徴に基づいて構築します。このフィルターは必然的に速度と包括性について最適化されます。
フィルターはそれぞれに大量のページデータプールが割り当てられた多くのサーバにディスパッチされます。そのような数万台ものサーバから、関連すると考えられる数千ページものページが届けられます。
適切な条件も順序も付けられていない1000ページもの出力を喜ぶ検索ユーザーはいないので、ページランキングというもう1つの層が必要になります。ページランキングでは、検索エキスパートからのルールやユーザーのこれまでのクリック状況から学習したルールの組み合わせに基づくと思われる順序で候補ページにランクを付け、画面に表示されるリストが作成されます。開発者はランキング問題にもニューラルネットワークを適用していますが、ルールとネットワークは極めて独自性のある混合が行われています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.