――IoTにおいてデバイスとサーバの間に位置するゲートウェイの重要性が高まるとは関連する各社に共通する主張だと思いますが、現状の課題とは何でしょうか。
コギン氏: ゲートウェイを「目的に特化のブラックボックス」として位置付けている場合、それは課題となり得るでしょう。確かに機能特化した方がコスト面では優位かもしれません、最近ではスタンダードなアーキテクチャを採用し汎用性を持たせたゲートウェイも増えています。
汎用型はコスト面でこそ不利かもしれませんが、キオスク端末やデジタルサイネージの制御など狭義のゲートウェイにとどまらない利用が可能となるため、導入例は増えるはずです。
ゲートウェイの重要性について語るコギン氏。データをエンドデバイスから収集して解析するだけではなく、その結果によって生成されたルールやロジックをゲートウェイに送り、ゲートウェイはそのルールに沿った制御をエンドデバイスに対して行うデータを駆動源とした循環を実現するにはゲートウェイが重要な存在となる――厳格な安定性や即時の応答性が求められるFA(Factory Automation)分野へOSSを導入するという考えは現実的なものといえるでしょうか。
コギン氏: ゲートウェイから下の層を閉域網として構成すれば現実的なものとなるはずですし、OSSがパブリックとクローズの間に入る存在になればいいと思います。実際に現場で稼働している製品やサービスを見ると、アーキテクチャとしてはOSS製品と類似しているものが多くありますし、生産現場における品質管理に利用されている事例もあります。レッドハットの製品ポートフォリオは幅広く、ニーズに合ったスタックを提供することができると考えています。
レッドハットは20年以上に渡って、OSSが実務に耐えるものであることを証明し続けています(創業は1993年)。それにOSSであるからこそ絶えない技術革新が行われ、コミュニティーも存在します。1社だけで決めるものではないので柔軟性が高く、顧客の要望へ細かく応えることができるのです。
IoTは分散型コンピューティングであり、アプリケーションへの依存が高いともいえるのですが、セキュリティとスケーラビリティの担保は常に行われなければなりません。スケーラビリティの確保にハードウェア仮想化は有効な手段の1つですが、それに限らずさまざまな業種業界のリクエストに応えた実装を私たちは対応します。私たちがエンタープライズITベンダーとして蓄積した知見は、“IoTの実現”に際して有用だと信じています。
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