産業用ドローンの開発製造を行うエンルートのイェン・カイ氏は、農薬散布や橋梁点検、災害調査など産業用ドローンの利用局面は増えているものの、「GPSが利用できない状況も多く、高い自律姿勢制御の技術が求められる」と自律性の高いドローン開発に着手していると述べる。
同社の開発しているドローンはJetson TX1とカメラを搭載、飛びながら対象物をディープラーニングにて認識・識別して機体制御に利用する「ディープラーニングナビゲーター」とも呼べる機能の開発を行っている。また、違法性のあるドローンをドローンで“捕まえる”ためにドローン認識機能をドローンに搭載する、災害救助のために上空から要救助者を画像認識で検出するといったアプリケーションも開発中であるという。
ドローン開発者の立場として、カイ氏はJetson TX1のメリットを「高付加な画像処理を容易にこなせるパフォーマンスの高さ」「CUDAを利用した実装の容易さ(デスクトップで開発してドローンのJetson TX1に実装)」「モジュール構造による、製品搭載/交換の容易さ」「CUDA開発者コミュニティーの存在」を挙げる。
機械制御に精通するイェン氏はドローンの他にも、画像処理とディープラーニングの活用事例として「自動運転車による自動宅配」などにも言及し、さまざまな利用方法が考えられるだろうとした。
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