マブチモーターのノイズ対策Arduinoで学ぶ基礎からのモーター制御(3)(3/4 ページ)

» 2016年02月19日 07時00分 公開
[今岡通博MONOist]

 次に、コンデンサーの容量を0.1μFから22μFに大きくした場合の効果を見てみましょう。次の図4が22μFのコンデンサーをモーターの端子へ並列につないだ場合の周波数成分です。

図4 22μFのセラミックコンデンサーを接続した際の波形。縦軸が電気信号の強さ、横軸が周波数
図2コンデンサーなし

 図(図4)を見ると、何も付けていない状態のグラフ(図2)に比較して、約1MHzから7MHZまでのノイズが低減されているように見えます。

 0.1μFのコンデンサーは高い周波数成分のノイズを抑えるために効果があり、22μFのコンデンサーは前者と比べて比較的低い周波数成分のノイズを抑えるのに効果があることが分かりました。次は双方のコンデンサーをつないだ場合の効果を見てみましょう。

図5 0.1μFと22μFのコンデンサーを取り付けた際の波形
図2 コンデンサーなし

 2つの異なるコンデンサーをつなぐことで、ほぼ全ての周波数成分のノイズが-60dbを下回ったことが分かります。


 なお、今回はコンデンサーをノイズ源(モーター)に対して並列に接続しますので、インピーダンス(抵抗)が低い程、ノイズの除去効果が期待できます。インピーダンスはコンデンサー容量と周波数の関係で表すことができ、ω=2πf Xc=-j(1/ωC)  (π=-3.1415926、fは周波数、Xcはインピーダンス、Cはコンデンサー容量、jは虚数)となります。

モーターのそれぞれの端子と、モーターのフレーム間にコンデンサーを接続

 つまり、周波数が一定であれば容量が大きいほどインピーダンスは下がります。また容量が一定の場合、周波数が高いほどインピーダンスは低くなります。よって容量の大きなコンデンサーは容量の小さなコンデンサーに比べて低い周波数でよりインピーダンスが低くなります。

 今回はコンデンサーをモーターの端子に並列接続することでノイズ対策を行いましたが、写真のようにそれぞれの端子とモーターのフレーム間にコンデンサーを接続することで、比較的高い周波数成分のノイズをモーターのフレームの外に出さない効果もあります。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.