XYZプリンティングジャパンは、熱溶融積層方式の3Dプリンタ「ダヴィンチ」シリーズの新製品「ダヴィンチ 1.0 Pro」を発表。他社製フィラメントにも対応する他、専用ソフトにより詳細な出力設定が可能となり、これまでにない高い造形品質を実現した。
台湾New Kinpo Group傘下のXYZprintingの日本法人、XYZプリンティングジャパンは2016年2月17日、熱溶融積層方式の3Dプリンタ「ダヴィンチ」シリーズの新製品「ダヴィンチ 1.0 Pro」の販売を同年3月1日より開始すると発表した。
従来のダヴィンチシリーズは、3Dプリンタ初心者を含む、パーソナルユーザーをメインターゲットにしていたが、ダヴィンチ 1.0 Proは“3Dプリンタをさらに使いこなしたい人”に向けた製品となっており、より高品質な造形が行えるという。
ダヴィンチ 1.0 Proの主な特長は次の4つである。まず1つ目は、他社製フィラメントの利用が可能になった点だ。これまでのダヴィンチシリーズは、同社から提供されている専用フィラメントのみ対応していたが、ダヴィンチ 1.0 Proでは純正フィラメントに加え、他社製のABS樹脂/PLA樹脂フィラメントが利用できるようになった。
2つ目の特長は、より詳細な出力設定が可能になった点だ。ダヴィンチ 1.0 Pro向けに専用ソフトウェア「XYZware for Pro」を提供。従来のダヴィンチシリーズに付属する専用ソフトウェア「XYZware」では設定できなかった、印刷速度および出力に関する細かなパラメータ調整(例えば、積層ピッチを0.05mm刻みで設定可能)などが行えるようになった。また、キャリブレーション作業も従来よりも利便性が向上し、簡単な操作で行えるという。
3つ目はWi-Fi機能の搭載である。ここ最近のダヴィンチシリーズにも標準搭載されつつある無線LAN接続が、ダヴィンチ 1.0 Proでも利用可能だ。有線接続することなく印刷が可能で、遠隔から本体の状態を確認したり、タブレット端末などから出力を行ったりすることもできる。
そして最後が「レーザー刻印」機能だ。これはオプション機能として用意されているもので、別売りの「レーザーモジュール」(販売時期および価格未定、参考:米国では199ドルで販売)を搭載することで、紙や木材、革などの表面にレーザー刻印が行えるようになる。レーザーカッターのように素材を切断できるものではないが、薄い紙などであればカットできるかもしれない。
専用ソフトウェアのXYZware for Proにより、かなり細かな出力設定が可能になったダヴィンチ 1.0 Pro。その造形品質は、非常に高いものだという。実際、同社から提供された出力サンプル(積層ピッチ0.1mm)を見てみると、積層の粗さなどが極力抑えられており、表面のざらつきなどもほとんど感じられなかった。
ダヴィンチ 1.0 Proの販売価格(税込)は9万9800円で、同年3月1日からECサイトや同社Webサイトより販売される。なお、本発表に併せ、本日より先行予約受付キャンペーンを開始。同年2月29日までに予約すると、1万円引きの8万9800円で購入可能だ。
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