好調持続の三菱電機、中国市場に不安を抱えるも第3四半期は過去最高の実績製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

» 2016年02月08日 13時00分 公開
[長町基MONOist]
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中国市場低迷の要因

 第3四半期の向け先地域別売上高を見てみると、日本市場向けがスマートメーターやFAシステム、自動車機器、家庭電器などが伸び、前年同期比での134億円(2%増)と増収。海外向けでは北米(同7%増)、欧州(同2%増)が伸びたものの、中国向けは約20%減少し、海外全体では45億円、1%増にとどまった。中国市場の低迷が全体的に海外拡大に対し、大きな影響をもたらした形だ。

photo 三菱電機 常務執行役 松山彰宏氏

 低迷した中国市場の状況を細かく見ると、重電システムで、昇降機、交通案件を中心に前年同期比で28%減収、電子デバイスも中国市場でのエアコンの過剰在庫により、エアコンメーカー向けのインバータ用パワー半導体の発注が低迷するなど同18%減、家庭電器もエアコンを中心に同17%減、FAシステムもNCの受注減が続き同30%近く売り上げ減となっている。

 中国市場の今後については「半導体の受注は2015年9月が底で、その後は戻しつつあるが、先行きは不透明で回復が始まるのは(来期の)上期の後半あたりだろう。FAについてもスマホ需要の回復時期は見えないが、ただ生産の高度化、品質改善に向けての設備投資の機運は高まりつつあることから、シーケンサ、サーボなどコントローラー系は同じく上期後半から受注は戻り始めるとみている」(松山彰宏常務執行役)としている。

 通期の連結業績見通しは、第4四半期が中国市場でのFAシステムや電子デバイスが前年同期を下回る見通しだが、売上高4兆3800億円(同1%増)、営業利益3000億円(同6%減)、税引前当期純利益3150億円(同2%減)など2015年10月発表の数字からの変更はない。

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