FA関連好調も、先行きは中国景気で不透明に――三菱電機、第2四半期決算製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

三菱電機の上半期連結決算は産業メカトロニクス部門が過去最高の実績を残すなど堅調に推移し、売上高が上期ベースで初めて2兆円を突破した。通期の見通しについては中国の景気減速が影響し営業利益などを下方修正している。

» 2015年11月02日 14時00分 公開
[長町基MONOist]

 三菱電機がこのほど発表した2016年3月期(2015年度)第2四半期累計(2015年4〜9月)連結決算は、売上高が重電システム、産業メカトロニクス、電子デバイス、家庭電器の各部門が増収となり2兆632億円(前年同期比5%増)を記録した。上期ベースで2兆円を突破したのは今回が初となる。

 営業利益は産業メカトロニクス、電子デバイスの2部門の増益により1270億円(同5%増)で推移した。一方、営業外収益が悪化したことから税引前四半期純利益は1330億円(同9%減)となっている。なお、為替変動による売上高の影響額は約830億円増(内訳は米ドル約400億円増、ユーロ約40億円減など)とする。また、海外市場向けが国内の伸びを上回り海外売上高比率は46.4%と同3.2ポイント伸びた。

photo 三菱電機の2015年度第2四半期累計業績(クリックで拡大)出典:三菱電機

重電、FA、電子デバイスが好調

 セグメント別の状況は、重電システム部門では社会インフラ事業でメガソーラーが減少したもののスマートメーターなどの国内の電力事業や国内交通システムが増加した。ビル事業はASEAN、中国などアジア向けの昇降機が好調に推移、リニューアル事業も増え、売上高は5237億円(同4%増)となった。営業利益は33億円と変動や電力事業の採算悪化などにより同87億円減少している。

 産業メカトロニクス部門のFAシステム事業は、スマートフォン関連の中国向けNC(数値制御)が低調だったが、自動車関連の設備投資や国内製造業の設備更新によりシーケンサ、サーボ、加工機などが増加した。自動車機器は国内市場が減収したが、北米向けのオルタネータ、スタータや北米、欧州向けのカーマルチメディアなどが増収となった。セグメント合計の売上高は6615億円(同9%増)営業利益が839億円(同176億円増)となり、いずれも上期ベースで過去最高の実績を記録した。

 情報通信システム部門では通信システム事業が前年同期並みで推移。情報システム・サービス事業はシステムインテグレーション事業などの伸長で売上高は上回った。電子システム事業は宇宙システム事業の大口案件の変動により、売上高は減収。この結果部門の売上高は2240億円(同10%減)。営業損益は38億円の赤字(同91億円悪化)となった。

 電子デバイス部門は電鉄用・産業用・民生用パワー半導体、産業用液晶製造などの需要減少により受注は下回ったものの、自動車用バワー半導体、通信用光デバイスなどの増加に加え、円安の影響もあり、売上高は1232億円(同15%増)と伸長した。営業利益も売上増加により同85億円増の163億円と好調に推移した。

 家庭電器部門は家庭用空調機器が国内向けをはじめ欧州やインドなどのアジアさらに北米向けが増加し、売上高は同7%増の5111億円に達した。しかし、営業利益は北米向けの価格低下や国内外での拡販費用の増加などにより同20億円減少し331億円にとどまった。

photo セグメント別の業績(クリックで拡大)出典:三菱電機
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