三菱電機の2015年度第3四半期決算は、国内向けのFA機器やスマートメーターなどが好調を持続。中国市場の景況悪化による影響は受けたものの、第3四半期としては売上高、各利益ともに過去最高の実績となった。
三菱電機の2016年3月期第3四半期累計(15年4〜12月)連結決算は、売上高が3兆916億円(前年同期比4%増)となった。為替変動による売上高影響額が840億円とプラスに働いた他、重電システム、産業メカトロニクス、電子デバイス、家庭電器部門が増収となり全体を押し上げた。
また、営業利益2073億円(同3%増)税引前四半期純利益2187億円(同1%減)。同社株主に帰属する四半期純利益が1528億円(同5%増)となり、この期間の実績としては税引き前四半期純利益を除いて過去最高を記録した。第3四半期(2015年10-12月)の実績だけをみると売上高、各利益とも過去最高の実績となっている。
各セグメント別の状況を、第3四半期を中心にみると重電システムの社会インフラ事業は国内のメガソーラー案件および海外の交通事業は減少したが、スマートメーターなどの国内電力事業案件が増加した。スマートメーターは2015年度通期では前年比6割増の300億円程度の売り上げを見込んでいる。ビルシステム事業は香港、ASEANは増加したものの、中国の新設案件は減少し、売り上げは前年並みにとどまっている。
産業メカトロニクスのFAシステム事業は国内の自動車関連の設備投資で加工機やシーケンサなどは堅調に推移したものの、中国向けスマートフォン関連での減少が大きく、減収となった。自動車機器事業は北米、欧州の新車販売が好調に推移し、オルタネーター、スターターや電動パワステ用のモータコントローラー、カーマルチメディアなどが増加したことで受注・売り上げともに前年同期を上回った。
情報通信システムは通信インフラ機器が減少したが、宇宙システム事業が大口案件の売り上げ(トルコのロケットであるトルコサット4Bの打ち上げなど)により増収となっている。
電子デバイス事業は、通信用光デバイスは増加したが、パワー半導体の各用途ともに需要が減少している。
家庭電器は国内向け家庭用・業務用空調機器や大容量冷蔵庫が増加。海外向け空調機器も中国では減少したものの欧州、アジア、北米向けが増加し増収増益を記録した。なお、太陽電池システム事業は住宅用はほぼ前年並み、メガソーラーは半減している。
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