スズキは、5速MTを搭載し専用チューニングを施したスポーツタイプの軽自動車である新型「アルト ワークス」を発売した。「アルト ターボRS」をベースに、さらに走行性能を高めている。
スズキは2015年12月24日、5速MTを搭載し専用チューニングを施したスポーツタイプの軽自動車である新型「アルト ワークス」を発売した。軽自動車「アルト」のターボエンジンモデル「アルト ターボRS」をベースに、さらに走行性能を高めた。税込み価格は5速MT搭載の2WDモデルが150万9840円、同4WDモデルが161万7840円、自動マニュアルトランスミッション「AGS」搭載の2WDモデルが150万9840円、同4WDモデルが161万7840円。アルト、アルト ターボRS、アルト ワークスを含めた月間販売目標台数は7500台のまま据え置く。
アルト ワークスは3代目アルトの派生モデルとして1987年に発売された後、5代目アルトの2000年のマイナーチェンジ時に販売を終了している。2015年3月発売のアルト ターボRSと同様に15年ぶりの市場投入となる。
新型アルト ワークスは「クルマを操る楽しさを追求し、さらに走りを磨き上げた軽ホットハッチ」(スズキ)を目指して開発された。外形寸法は全長3395×全幅1475×全高1500mmで、ホイールベースは2460mm。軽量化を突き詰めたアルトのボディに補強を加えて剛性を高めたアルト ターボRSがベースになっていることから、同じ数値になっている。
車両重量は5速MT/2WDモデルで670kg、AGS/2WDモデルで690kg(4WDモデルは50kg増)。AGSを採用するアルト ターボRSの2WDモデルが670kgなので、20kg増加したことになる。これは、アルト ターボRSからさらに走行性能を高めるためにサスペンションなどの足回りを専用チューニングしたためだ。
新型アルト ワークスの最大の特徴は、アルト ターボRSで見送った5速MTの採用だろう。専用開発したショートストロークの5速MTは、変速段の間のギヤ比の差を小さくするクロスレシオ化を1速〜4速に適用した。これにより、エンジントルクの厚い回転域でつながりの良いギヤ比を実現した。また、ショートストロークシフトとシフトノブ位置の最適設計による軽快なシフト操作と、操作荷重の専用設計によるダイレクトで節度感のあるフィーリングを実現したとしている。
AGSについても、スポーティーな走行に適した専用の変速制御を採用し、よりダイレクトな加速を実現するとともに、5速マニュアルモード付パドルシフトを装備した。
新型アルト ワークスのターボエンジンは最大トルクが100Nm(3000rpm)に向上した。アルト ターボRSで、他車両のターボエンジンモデルの95Nmから98Nmまで高めていたので、さらに強化されたことになる。ターボ過給圧の高さに応じて色が白から赤に変化するブーストインジケーターもメーター内に追加した。
専用チューニングを加えたサスペンションは、ステアリング操作に対するより高い応答性や、ロールスピードを低減しコーナリング時の挙動変化をさらに抑えた安定性、手応えのあるダイレクトな操舵感を目指したとする。ホイールリム幅を拡大し、曲がり易さを向上させた15インチアルミホイール、高い操縦安定性、接地感、応答性を実現する専用チューニングのKYB製ショックアブソーバーも採用した。
前部座席は、スポーティーな走行時に体をしっかり支えるレカロ製の専用品となっている。
外観デザインでは、WORKSロゴをあしらったフロントバンパーアッパーガーニッシュやボディーサイドデカール、足元を引き締める黒のホイール、赤のフロントブレーキキャリパーなどを用い、走りへの期待を高めている。内装も、シルバーと赤を効果的に配した黒基調のスポーティーなものを採用している。
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