また、TechCon開催1週間前となる2015年11月4日、MaximはMAX32600をベースにした「MAX32600MBED」を発表しており、当然の様にこれが展示されていた(Photo23〜25)。ただし今回はボード展示のみでmbed OSの動作デモは無しであった。
ちょっと意地悪く「MAXQはもうやらないの?」と尋ねた所、「MAXQは良い製品だし引き続き要望があれば提供してゆくが、問題は開発環境が充実していないことで、これはARMの方がずっと良い」という率直な答えを頂いた。
MAX32600は同社初のARMベースMCUで、プロセッサコアはCortex-M3だが、同社の製品らしく強力なAFEを搭載しているのが特徴。MAX32600そのものは2014年の発表だが、最近、Cortex-M4FベースのMCUも追加されている
Photo24:MAX32600を搭載したWireless Sensor Node。MAX32610という型番は内部で利用されているだけの様で、製品名はMAXWSNENVの模様。左につながっているのはMAXIM Epsilpn HDK。また意外なところでは、Qualcommもブースを出していた。Qualcommは2015年8月にCSRを買収完了したが、もともとCSRはmbed向けのシールドを提供してきたこともあり、今回もCSRブランドのままでmbed用のシールドを展示していた(Photo26〜28)。ちなみにシールドそのものは49〜99ドルといった価格帯で販売されるが、チップ単体での提供も行っているということだった。
ということで、それなりに準備が整ってきたmbed OSのマーケットであるが、現状はテクニカルプレビューにすぎない。検証などはこれを利用して行うことが可能であるが、製品を作り始めるにはちょっと早いという感じで、当初の想定よりも盛り上がりにやや欠ける感じになってしまったのは致し方ないところだろう。このあたりはTechnology Previewではなく、正式版のv3.0がリリースされるのを待つしかない、という感じであった。
“印刷”のCortex-M0から64bit化を推進するCortex-A35、mbed OSまで、ARMの示す未来像
ARM「mbed OS」の現在地
ARM「mbed OS」とは何か?その詳細と動向Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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